モジゃもんときどきシアワセ。

破れた夢は数知れず、ゲーム大好きロスジェネ世代のはみだしもんです。ときどきシアワセならいいじゃないさ!

ゲーム再神作!vol.6 疾走逃走大脱走!!メトロクロスで自由をつかみ取れ!!

メトロクロス・バナー

横スクロール型ランニングアクションゲームの原点‼

決めろ! クラッカージャンプ!!

 ナムコファミコンソフトはハズレなし!ついに『メトロクロス』のファミコン版が登場だぜっ!!

 爽快なジャンプアクションを決めて一秒でも早くゴールへ向かって走るんだ~っ! どらららっ!

 ジャンボカンにペシャンコにされ、スケボーに乗ってはすってんころりん、めげない男”傷だらけのランナー”は今日も走る!! 特大紹介号炸裂どぅわ~っ! 

 

タイトル画面←近未来的でかっこいいタイトル画面だっ!

 

 

タイトル画面はすぐにデモ画面に切り替わる! 先ずはデモを見て予習するのもいいゾっ!!

 

 

 

 

おっ! 跳んでる跳んでる!!デモ

 

 

メトロクロス』は制限時間内にゴールを目指すラウンド形式のランアクションなのだ! コースの途中にはハードルや落とし穴などの色々な障害物が仕掛けらているゾっ!

 

モジゃもん楽し

 

時計仕掛けの障害物競争!?

 ”傷だらけのランナー”を待ち受けるコースにはおかしな仕掛けが盛り沢山!! 愉快な逃走劇を楽しもうっ! 

ジャンボ缶

 やって来ましたジャンボカン! あらよっと

 


スケボー

 



 

 

 

 

↓タイムアップが意味するものは・・・!?

感電死


 『メトロクロス』は言わば障害物競走のタイムアタックなのだ!!

クラッカーやジャンプ台などのギミックを利用して一秒でも早く駆け抜けろっ!!

 

やっほーいやっほーいやっほーい!!

連続ジャンプ

 

モジゃもん興奮

狙えボーナス! アイテムや仕掛けを利用してゴールを目指そう!!

 メトロクロス』はアイテムの利用が必須だぜっ!!

 

ポカリのカンはしっかり踏んでいくぅ~っ‼

カン踏み

 

のってけ のってけ のってけ てけてけ‼

のってけ

 

おらおらおらおら~っ

スピードブーツ

※点滅に気を付けて下さい

 

パックマン←その他にもパックマンソルバルウなどの隠れキャラが特定の条件下で登場っ!

  

 

 

各ラウンド毎に決められた制限時間のある『メトロクロス』で競うなら点数が重要だ! ジャンプ台を連続で成功させたり、カンを連続で踏んだりといった条件がそろうとアイテムが出現したり、ボーナスが加算されたりするのだっ!!

 

モジゃもん落胆

ラストシーンは近い!! 

続々出てくるおじゃま虫をかわせ!!

 ハードル、タイヤ、段ボール、すべる床、ねずみ、将棋の駒にチェスの駒!?

 

タイヤ

むぎゅう・・・

 

なんなんじゃおまいらっ!

なんやおまいらは・・・

 

女の子

え? え? えぇぇ~!・・・♡

 

 『メトロクロス』の敵キャラクターは謎が多い!! ハードルがあってタイヤが転がってきて将棋の駒が飛んでくる!? どうゆうこっちゃ!! こんなに個性的なランゲームは『メトロクロス』だけなのだ!! 

 

 

独断偏拳攻略法伝授‼

モジゃニコ


 

 こんにちは。モジゃもんです。ここからは僕が”メトロクロス”で遊ぶときにやっている攻略法をお教えします。同じゲームで遊んでいるクラスの友だちの話、くらいの距離感で見てくれるとうれしいです。 

 

その1  

ジャンプはブレーキなんだと覚えようっ!!

メトロクロスはジャンプとブレーキで微調整しながら進むゲームです

 

ジャンプして微調整してダァーっしゃ!!

クラッカージャンプ

 

ジャンプして微調整してダァーっしゃ!!

ゴール前クラッカー

 

モジゃニコ


 

 『メトロクロス』のジャンプは走ることよりスピードが落ちます。ですからむやみやたらに飛ぶのはNGです。また、クラッカージャンプはジャンプ後に微調整しないとほとんど成功しませんよ。

 

その2

ライン合わせとAボタン連打は必須っ!!

スケボーが出たら問答無用でライン合わせ!転んだら問答無用でAボタン連打

 

これは論外です!

論外

 

惜しいですが、これもダメ!

これは惜しい

 

この状態が成功です!

ライン合わせ

タイヤの位置をよく見て覚えましょう

 

モジゃキラ


 

スケボーライン合わせのコツはブレーキをかけて微調整することです。それと、僕の肌感覚だと各ラウンド2回まではミスしてもAボタン連打復帰でゴールに間に合うので、転んだり穴に落ちた時は連打しましょう。

 

その3

PAUSEを使って一回冷静になろうっ!!

僕が強くおススメしたいのがPAUSEボタン! ある程度コースを覚えたら、一つ要所を超えた後にPAUSEをかけると一回落ち着けるので結構役に立ちますよ!

 

ゴロゴロ転がって喜ぶランナー

ゴロゴロゴール



 

絶対拾い物のドリンクを飲むランナー

ドリンクゴックン

 

 
 
秒で自由を捨てて再びメトロに向かうランナー

エンディング

 

 

 

以上です。スタジオさーん!!

 

ゲーム再神作 メトロクロス

 では、ここからは私、モジゃもんがじっくり考えて決めた懐かしいゲームをたっぷり遊んで評論させていただいて、再び神作となるサイシンサクか、思い出補正だけが拠り所の懐古ゲームかを考える「ゲーム再神作徒然話」です。

 

 今回遊んだのはFC版メトロクロスです。1985年の5月にAC版が稼働され、FC版の本作は翌年の1986年12月16日に発売されています。制作は”遊び”をクリエイトするナムコです。2005年の5月にバンダイ経営統合、要するに合併して現在では株式会社バンダイナムコホールディングスとなっています。これ、当時は結構おどろきましたよね。

 

 1994年まで新作ソフトが発売されていた初代ファミコンですが、ナムコは非常に多作で86年のFC版『メトロクロス』の時点でなんと22作品目。この頃のファミコンソフトって任天堂タイトー・ハドソン・コナミナムコの五社で盛り上げられていた気がします。他のメーカーさんごめんよ。

 

 1986年は『ドラゴンクエスト』が発売された年で、他にも『グラディウス』『魔界村』『がんばれゴエモン!』など人気シリーズの1作目が登場している年です。僕自身もこの年の12月18日に発売されたキングコング2 怒りのメガトンパンチ』が最初に購入したファミカセでした。なぜそれにしたんだ~っ! まあ面白かったけどね。

 

 僕の『メトロクロス』初プレイは、1987年だと思います。うん。間違いない。だって5つ年上の兄が友人から借りてきたものを一緒に遊んだのが最初ですからね。

 

 ファミカセの貸し借りって全国的に行われていたことだと思うんですけど、大概飽きたソフトと交換する形で貸し借りしていたので、兄が借りてきたのは発売の翌年だったと予想。

 

 んで『メトロクロス』に対する当時の僕の印象は

 

 すげ~難しい

 

 これでした。自分でも驚いたんですけど、数十年の時を経て正真正銘のおっさんになった今、改めてしっかり『メトロクロス』を遊んでみて至った結論と正直あまり変わらなかったです。難しいっていうこととはちょっと違うんですけど、子供の頃だったらそりゃあ難しくて出来ないだろうなーって思いました。

 

 開発企画をされたのは岡本達郎さんです。岡本さんは本作の主人公”傷だらけのランナー”のモデルにもなっていて、元気があればなんでもできそうなアゴが特徴の方です。

 

 我々おっさんゲーマーにとっては本当にうれしいダウンロード配信サービスアーケードアーカイブスの企画である動画配信の中でご本人が登壇され『メトロクロス』の開発にまつわるお話をされています。興味のある方はご覧になって下さい。まあ全部で4時間以上もある動画なので、いつ誰が全部観るんだろって感じですが(僕は観ちゃったけど)。

第374回 アーケードアーカイバー メトロクロススペシャル!Arcade Archiver # 374 METROCROSS Special!

 

 岡本さんは全く理系出身ではなくパソコンのキーボードも打てなかったのに、ナムコ入社後開発企画課に配属されて、寝耳に水だったと回想されています。当時の開発企画課は理系ではない畑の人間をどんどん入れていたそうで、新しい遊びを生み出そうとするナムコのクリエイティブな姿勢に感銘を受けます。てゆうかこういう会社で働ける人がうらやましいですな。

 

 岡本さんはゲームのことはまるで知らない学生時代だったらしく、当時の一般的な大学生と同様にインベーダーくらいしかやったことがなかったそうです。麻雀ばかりやっていた学生時代の岡本さんはゲームを開発するなんて全く想像もしていなかったと楽しそうに話されていました。ていうか、動画の中で時々飲んでるグラスの中身が酒なのかな? ってくらい楽しそう。昔を語るほろ酔いおじさん感ハンパないっす!

 

 そんな岡本さんが話すメトロクロス』の開発秘話入社一年目の岡本さんは会社から「何か新しいものを作ってよ」と斬新な企画書を書くように指令を受けたところ、オリンピックのように正式なスポーツではなく、色々な競技で日本一を決めるようなゲームを企画されました。なんとなく『タントアール』とか『マリオパーティ』のようなゲームを想像するとわかりやすいと思います。

タントアール

 岡本さん曰く「当時のテレビ番組には日本一を決めるような企画がたくさんあった」そんなテレビ番組からインスパイアされて企画していったとのことでした。特に日本テレビびっくり日本新記録(1975年10月5日~1985年10月6日)から影響を受けたらしく、動画の中で見せてくれる実物らしい当時の企画書にもしっかり”びっくり日本新記録”とメモ書きされています。

 

 ってかありましたよね。こういうテレビ番組。僕が覚えているのはフジテレビの『ザ・ガマン』。これ本当に現在だったらありえないんですけど。シンプルにどれだけおしっこをガマンできるか! とかいってガンガン飲み物飲んで何時間もトイレに行かないだとか、波打ち際に寝転がってどれだけ長い時間満ち潮に耐えられるか! とか無茶苦茶なやつばかりでした。だけど家族そろってキャーキャー喜んで観てた気がするから怖い怖い。

 

 岡本さんの企画書には旅館のお膳をいくつも重ねてバランスを取りながら運ぶゲーム泥沼を50メートル走ってタイムを競うゲーム。はたまた水上ドラム缶ロデオなどと本当にバラエティ番組の企画のようなゲームが沢山書かれていて、実現していたら面白いパーティゲームになっていただろうなと感じました。

企画書

第374回 アーケードアーカイバー メトロクロススペシャル!Arcade Archiver # 374 METROCROSS Special!

 ただし、当時のプログラマーサイドから「こんなの一個一個やっていたら大変だ」と言われたそうで、徐々にブラッシュアップして障害物走に特化していったようです。昭和58年12月29日付の企画書では『ファンキーアスリート』というタイトルだったものが昭和59年8月14日付の仕様書で『シティランナー』と変わり、段々と『メトロクロス』に近づいていることがわかります。

 

 開発期間は一年半程度とのことですし、各書類に記された日付がお盆休みや年末であることから、岡本さんをはじめ当時の制作陣があまり休まずに頑張っていたことが窺えます。ゲーム開発の現場を知らない僕なんかはクリエイティブな職業の人たちがアイディアを出し合っている仕事場にめちゃくちゃ憧れるんですよね。いーなー。

 

 さてさて、こんなところで枕話は切り上げて本題に入りたいと思います。『メトロクロス』は子供の頃からあまり得意ではなく、たまにやると難しくて投げ出していたのですが、ちょこちょこTwitterYouTubeで『メトロクロス』を見かけるようになり、この際と思って遊んでみました。現在ではスマホアプリの定番ジャンル”ランゲーム”の礎を築いた『メトロクロス』を掘り下げて考えてみましょう! レッツゴー!!

 

メトロクロス』はナムコの『スーパーマリオブラザーズ』だった?

 ではでは、早速ですが『メトロクロス』のジャンルって皆さんは何だと思われますか? 僕はなんの疑いもなくアクションゲームだと思いますし、思ってました。キャラが飛んだり跳ねたり走ったりするゲーム。それすなわちアクションゲームなり、って感じです。

 

 ところがですね、この『メトロクロス』をレースゲームとして捉えてる方々が一定数いらっしゃるようなんです。ゲームカタログ@wikiで『メトロクロス』の項を見てみても・・・

 

” 厳密にはアクション要素を含んだ横視点のレースゲームともいうべき作風となっている。”メトロクロス - ゲームカタログ@Wiki ~名作からクソゲーまで~ - atwiki(アットウィキ)

 

 と書かれています。

 

 アクション要素を含んだレースゲームって風呂敷大きすぎないか? っていう疑問と、厳密なのに”作風”っていうなんとも歯切れの悪いふわっとした表現。う~ん納得できない。

 

 試しにTwitterで「メトロクロス レースゲーム」と検索してみると、確かにいるいるメトロクロス』はレースゲームだ勢が・・・。だけど「メトロクロスはレースゲームじゃないの?」とか「かなり特殊なレースゲーム」とか「若干レースゲーっぽい」とか曖昧なものばかりだし、「レースゲーじゃないよねw」「レースゲー?」なんていう疑問を呈すものも散見されました。

 

 その一方で「メトロクロス アクションゲーム」で検索してみると「アクションゲームです」とか「~のアクションゲーム」っていう断定言い切り型が圧倒的に多い。これはやっぱり『メトロクロス』はアクションゲームなんだという認識の方が優勢なんじゃないでしょうか。ってかさ、車じゃなくて人型キャラが走ってるゲームなんだからアクションゲームだっていう認識でいいじゃん! とか僕は思います。

 

 では何故メトロクロス』はレースゲームだ勢が一定数存在するのか、又、ぱっと見アクションゲームをレースゲームだと穿った見方をしているのか、っていう謎なんですが、僕が思うに、ほとんどの人は通ぶってるだけだと思います。レースゲームだと言ってる人にロジックはなさそう。

 

 おそらく「トーシロはアクションゲームだと思うのが通常だろうけど、このゲームはレースゲームだっていう見方もできるってどっかで見たし、確かに言われてみればそんな気もするし、その方がよりわかってる感じがして人の上に立った気になれるからレースゲーム」くらいの他人の言説にのっかっただけのペラい言い分だと思います。

 

 その証拠にほとんど断定しないで「え? 俺はレースゲームだって思ってたけど違うの?」みたいな逃げを用意した言い回しで客観性を装ってます。かっこ悪いですよ~! 

 

 とまあ、性格悪く分析するのはここまでにして、真面目に考えてみますと、どうやらこれは開発企画をされた岡本達郎さんの経歴に起因したものっぽいですね。もっと言えば岡本さんはナムコ入社して一作目が『メトロクロスなので、それ以降の作品群による影響だと思いますです、はい。

 

こちらをご覧ください。

岡本さんの経歴

第374回 アーケードアーカイバー メトロクロススペシャル!Arcade Archiver # 374 METROCROSS Special!

 

 ご覧の通り2006・7年の二作品を除いて、ほとんどが乗り物ゲームです。そして93年の『ラッキー&ワイルド』以外の作品はもう完全にレースゲームなんです。

 

 『ラッキー&ワイルド』は視点こそレースゲームの画面ですが、各面クリア型のシューティングゲームです。このゲームを含めて話すとややこしくなるので断言します。『ラッキー&ワイルド』はシューティングゲームです。しかも名作です。僕は大好きでした。

 

 んで、『ファイナルラップ』をはじめとする他の作品なのですが、大きな共通点を挙げてみると・・・

 

・乗り物を操作する

・時間を競う

・乗り物の後方又はコクピットから見た視点

 

 となっています。ほら! 一個もメトロクロス』にはない特徴じゃーん! 逆にレースゲームをレースゲームたらしめてる特徴もこの三つなんだと思いますよ! 

 

 ついでにWikipediaでは『レースゲーム』がどんな風に説明されているのか見てみますと・・・

 

 レースゲーム(英: racing game)は、出来るだけ指示された目的地に速く到着できるかを競うゲームのジャンルである。すごろくなどのボードゲームコンピュータゲームのジャンルではプレイヤーキャラクターの乗り物無人(という設定)含む)を操縦し競走をおこなう。自動車オートバイを筆頭に、自転車船舶飛行機宇宙船、架空の乗り物などを操縦する。レースゲーム - Wikipediaより引用

 

 はい。これでレースゲームをレースゲームとして胸張って成り立たせるための要素がはっきりしましたよね。それは・・・

 

乗り物

 

 そうですよね! 乗り物が出てこないのにレースゲームって不自然ですし、違和感あります。たとえ目的地に速く到着することを競うゲームだったとしても、乗り物が出てこないのにレースゲームだよっていうのは頑固なだけだと思います。頑固一徹星一徹です。例えば・・・

 

これとか

ハイパーオリンピック

 

これも

びっくり

 

これだって

けっきょく南極

 

 レースゲームですか?

 

 なんの説明もなく会話の中でレースゲームとして語りますか?

 

 多分、通ぶっててイヤミな奴だと思われますよ。いやマジで。

 

 もちろんですが「race」って、英単語の「競争」という広い意味で話してるわけではないですよ。ゲーム上のジャンル分けの話だよね。

 

 仮に50歩くらい譲りましょう。確かに『メトロクロス』は目的地というか、ゴールに速く到着することで得られる得点も増えますからね。他のプレイヤーと速くゴールすることを競っていると言えなくもないのでその点でレースゲームですか・・・

 

 じゃあ、これもその意味ではレースゲームってことでいいんですか?

 

目的地に早く到達することで・・・

マリオ

得られる点数も増える。

 

 これはなんと! メトロクロス』はナムコの『スーパーマリオブラザーズ』だったんか。こいつは驚きだZE! 

 

 

 

 ってそんなわけあるかーーーーーーっ!!

 

 

 もう充分ですよね。はい。すいません。こんな風にタイムトライアルだからレースゲームってことにしてしまうと、もうなんでもありになっちゃう。

 

 岡本達郎さんの経歴に話を戻しますと、岡本さんは学生時代からレースが好きで、時々実際にレースを観に行ったりしていたそうです。ナムコに入社した当時からレースゲームを作りたい! という希望を会社に出していたそうなのですが、上記したように「とにかく新しいものを!」という御達しの通り”びっくり日本新記録”のようなゲームを考えるに至ったということだったんです。

 

 岡本さんが『メトロクロス』以降レースゲームばかり企画されるようになったのは、87年の『ファイナルラップ』のヒットを受けて二匹目のどじょうを狙っていたから、と動画の中で名言されています。もちろんレースゲーム自体が好きだったということは前提にした上でのお話でしたので、単なる商業主義ではなかったようです。

 

 ちなみに岡本さんは個人的にもマラソンをされるらしく10キロを40分で走るそうです。これは速い。僕はスポーツジムで10キロを1時間かけて走っていたので、すごいなと思いました。傷はなくともマジもんのランナーだったんですね。

 

まとめ

 メトロクロス』はネット上でしばしばレースゲームだと語られることがあります。一目みたところはアクションゲームなのに何故レースゲームとして捉えられているのかを調べてみました。

 

 調べてみると、企画者の岡本達郎さんはレースゲームが好きだと公言されており、『メトロクロス』以降の氏の作品はほとんどがレースゲームだったことから『メトロクロス』もレースゲームとして捉えられる風潮が生まれたのではないか、と考えました。

 

 実のところ、当の『メトロクロス』は本来テレビ番組”びっくり日本新記録”をもとにした斬新なナンセンス競技を狙って企画されたものであり、レースゲームとしては作られていませんでした。

 

 また、『メトロクロス』以降に岡本さんの企画されたレースゲームの特徴は乗り物・時間・視点の三つにあることが確認でき、中でも乗り物を操作するという点がレースゲームの本質であり『メトロクロス』にはないものだとわかりました。

 

 仮に、これに反駁する形で人型キャラが時間を競うゲームも含めて広く捉えようとするとスーパーマリオブラザーズ』のような典型的なアクションゲームも含まれてしまうことになり、不自然なものになってしまいます。

 

 以上のことから、僕も言い切っちゃいますよ!

 

 メトロクロス』を企画した岡本達郎さんはレースゲームが好きではあるが『メトロクロス』はレースゲームではなく、アクションゲーム

 

 とは言え、ゲームのジャンル分けなんて複雑な作品になればなるほど音楽のジャンル分けと同様に曖昧なものになるのは当然ですよね。

 

 ここまで意地悪く書いてしまいましたが、ジャンルなんて横断して複合的に作られることで、例えば『ラッキー&ワイルド』や『チェイスH.Q』のような面白い作品が生まれるんだと思います。いや、ここが重要だから言い直すぞ! 生まれるのだ!! 

 

 最後に、調べていて気付いたのでどうしても触れておきたいのですが、岡本さんが最初に企画されていたびっくり日本新記録”のようなナンセンス競技の寄せ集めゲーム。

 

 これ、ありましたよね! 確かに後年にあったんです。しかも調べてみて嬉しくなったのはナムコから出ていたんです。なんだかわかりますか? 多分当時のゲーセンボーイなら一回は遊んだことあるはず! 僕は何度かやったことあります。

 

 そのゲームとは・・・

 

 

超人オリンピック

ニューマンアスレチックス』です

 

 懐かしいですよね。

 このゲームに出てくる競技が・・・

 

・ミサイル投げ

・砲弾撃墜

・ビル登り

・新幹線押し返し

 

 といった様に、正にナンセンス競技の寄せ集めです。この作品を岡本さんの後輩の方々が制作するにあたって、岡本さんの企画書を参考にしたり、氏からアドバイスを受けたかもしれませんよね。

 

 まあ、岡本さんの企画書っていうかなんていうか完全にこれ・・・

 

 

 

 超人オリンピックだけどね

 

 

メトロクロス』はリズムゲームだった! ゲーム音楽の役割から考える面白さの秘密

 

 それではいよいよ『メトロクロス』の中身に入っていきたいと思います。え~とですね。『メトロクロス』を遊ぼうと思って、コントローラーを持って、スタートボタンを押す! ここで飛び込んでくるのやっぱり!  大野木さんのあの曲なんですよね。これに触れずに『メトロクロス』は語れないでしょ。

 

 ってことで、次は『メトロクロス』の音楽について考えてみたいと思います。

 

とその前にこちらをご覧ください。

開発メンバー

 第374回 アーケードアーカイバー メトロクロススペシャル!Arcade Archiver # 374 METROCROSS Special!

 

 これ、動画配信の中で紹介された開発メンバーなのですが、僕は驚いてしまいました。あの曲を作曲された大野木宣幸さんは作曲家である以前にプログラマーだったんですね。全く知りませんでした。

 

 そんなことも知らなかった僕が大野木さんの曲の中でも、というかファミコンの音楽の中でも名曲として有名な『メトロクロス』の音楽について語っていいのか、かなり危ういのですが、触れさせてください。

 

 大野木さんはゲーム音楽音楽らしいBGMを付けた最初の人物とされています。どういうことかと言うと、この頃のゲームって・・・

 

・ゲームスタートのとき

・ステージ切り替わりのとき

・ゲームオーバーのとき

 

 これらのときくらいにしかメロディーが流れないんですよね。しかもラジオのジングル程度の短いものばかりでプレイ中のBGMは無。キャラが歩くというか動く効果音がビコビコ鳴ってるだけのものがほとんで無。むむむ。

 

 ファミコンソフトだけ見てみても84年11月14日発売のマッピー』以前のファミコンはゲームプレイ中の音楽がほとんどありませんちなみに『マッピー』と同じ日に発売されている『アーバンチャンピオン』もプレイ中にめさくさセンスのいいベース音の曲が鳴ってます。地味ですけどゲームの緊張感に貢献してるし、カッコいいです。

 

 調べてみると、『アーバンチャンピオン』以外にも

 

・84年7月4日発売『ドンキーコング3

・83年7月15日発売『ポパイ』 

・84年11月8日発売『ゼビウス

 

 この三作品で短いサウンドループのような音楽が確認できました。ご存知『ゼビウス』の近未来のサイレンのようなスクランブル発進を思わせるあのピロピロ音も秀逸ですし、『ポパイ』も『ドンキーコング3』もコミカルな音楽で聴いてて楽しいです。

 

だけど、ここへいきなり

マッピー

これのあの曲登場です。

 

 インパクト強いですよね。昔『マッピー』で遊んだことのある人は大体みんな覚えてると思います。これは明白に曲だ! と言い切れる音楽が付いてます。このトンテンカンテン言ってる曲を作曲されたのが大野木さんだったというわけです。

 

 余談ですが、この『マッピー』以降のファミカセでプレイ中の音楽がハッキリ付いたのは何かな~と思って、調べてみたのですが、なんだかわかりますか? 

 

 

 

クルクルランド 

これなんです。

 

 これね、おそらくゲーム画面を見ただけではピンと来ない人が多いのではないでしょうか。このゲーム画面だけですぐタイトルがわかる方はかなりファミコンに詳しい方か偶然にも当時所有されていた方かのどっちかでしょう。あんたはえらい!

 

 ですが、これを見たら急激にピンとくる人の人数が増えるはず!!

 実はこのゲーム・・・

 

 

 

 

 

クルクルジャケ

これなんです。



 

 

 

 あ~ 

 

 

 

 って言っちゃいますよね。そうです。任天堂の『クルクルランド』です。マッピー』以降のファミコンソフトでプレイ中の音楽が付いてるって言える最初のソフトはこれでした。まあまだマッピー』ほどにしっかりとメロディーがあるわけでもないんですけどね。

 

 意外にもこの『クルクルランド』が発売されたのはファミコンソフトとして『マッピー』の次なんです。

 

 84年11月14日

 『マッピー』発売

 

 84年11月22日

 『クルクルランド』発売

 

 ですから、ファミコン史として考えると、84年の後期くらいからゲームに付随する音が「サウンド」から「ミュージック」に移行していった、と言えそうです。

 

 84年という年は説明不要のミュージシャン細野晴臣さんが4月に『ビデオ・ゲーム・ミュージックナムコとの共同制作で完成発売している年です。だもんで、ゲーム業界全体にゲーム音楽に対する意識の変革があったとしてもおかしくはないんですよね。

 

 その後85年に入ると4月に任天堂の『サッカー』コナミの『イーアルカンフー』『けっきょく南極大冒険と、こりは音楽や音楽や~ってのが付けられたゲームが頻出するようになってます。そして同年9月にスーパーマリオブラザーズ』が登場して、ゲーム音楽という世界の確立に至っているって感じです。ワクワクで鼻血でそ。

 

 さあさあ、そんな中ついにメトロクロス』の登場でございます。メトロクロスはFC版発売以前の85年5月にAC版が発表されているので、そっちで先に『メトロクロス』の音楽が世に出たということになりますね。

AC版メトロクロス

 『メトロクロス』の音楽はどこで見ても聞いても名曲として語り継がれているゲーム音楽ですよね。いや僕だって異論ないです。ただ名曲っていう言葉があまり好きではなくて・・・ 名曲とか名画とか名作とかっていう言葉に懐疑的。天才・秀才・才能あるなしも好きじゃない。

 

 なんか過剰だし、ちゃんと評価するのがめんどくさいだけな気がするし。これらの言葉を使っちゃうと逆に一定の水準で価値が停滞するような気がしませんか? と書きつつ、日常的に僕も使い倒してるから泣けてきます。勝手ですよね。

 

 気を取り直しまして『メトロクロス』のゲーム音楽の特徴を考えてみたいのですが、とりあえず気づくのはタイトル画面でスタートボタンを押して、ゲームオーバーになるまでにかかる音楽が一応一曲としてまとまっているってことだと思います。意外なことに他のゲームでは見落とされているというか、こういう作り方はされていないことが多いです。大野木さんの凄さってここかもしれません。

 

 どういうことかと言うと

 

 タイトル画面は無音 

 スタートボタンを押すとプォィって変な効果音が鳴って・・・ 

 

 ゲームスタートで イントロ

 プレイ中は Aメロ・Bメロ・サビ

 ラウンドクリアで 間奏

 ゲームオーバーで アウトロ

 

 って感じで、繋げて聴くと一つの曲として聴こえるようになっています。これが肝。このことで何が起こるかと言うと、めちゃくちゃゲームのテンポ感がよくなるんです。

 

 僕は『メトロクロス』っていうゲームの評価の分水嶺がここにあると考えているのですが、このゲームはうまくなればなるほどプレイ中のジャンプ音や缶を踏む音がテンポよくパーカッション的に決まって、気持ちよくなってくるんです。マジです。

 

 一周でもクリアしてしまえば実感できると思うのですが、うまくなってからラウンド1・2・3くらいを再びプレイしてみると、初めてプレイしたときに比べてポンポンジャンプが決まるので爽快なんですよね。これです! これが『メトロクロス』のクセになる面白さの秘密DA・YO!

 

 もう今回の結論を先に言ってしまいますけどメトロクロス』はうまくならないと面白さがわかりにくいゲームなんです(昔のゲームってそんなんばっかだけど)。だもんで、初めのうちはジャンボカンに潰されたり、穴に落ちたりすると、テンポのいい音楽が鳴っているのに視覚的にも聴覚的にもリズム感崩されて

 

超ストレス

 

 なんですよね。もう遊んでいてストレスがたまるたまる。もう少し難易度調整甘くしてよかったのになんて思います。クラッカージャンプもシビアすぎです。

 

 なので幼い頃の僕みたいに面白さがわかる前に投げ出しちゃうんだと思うんですよね。そこを堪えて何度もプレイしていると次第に上手くなってくるのでゲーム音楽とランナーが一体化してテンポがよくなって、きもちーきもちーきもちE! ってわけなんです。

 

 そういう意味でメトロクロス』のゲーム音楽は超優秀だよって叫んじゃっていいと思います。ゲーム音楽はゲームの演出に貢献するもの、もっと言えば楽しさを盛り上げるものであるべきだと思うので、それを巧みに成し遂げている『メトロクロス』の音楽は名曲だ、と相成るわけで御座います。

 

 だからね、Twitterとかで気取りたいならメトロクロス』はレースゲームなんて言ってないで、リズムゲームだって言うべきだよ。メトロクロス』はリズムゲームです。

 

 メトロクロス』の音楽のルーツはフランスにあった!?  大野木さんの造詣の深さに感服!

 

 『メトロクロス』の曲ってなんなんでしょうね。唐突にすいません。めっちゃオシャレでかっこいいですけど、なんとなく哀愁も漂う音楽。これについて少し触れてみたいと思います。

 

 グーグル先生にメトロクロス 音楽」とかで質問してみると、『メトロクロス』の音楽は

 

 ジャズだよ~

 ビッグバンドだよ~

 ラグタイムだよ~

 カントリーだよ~

 昭和歌謡だよ~

 

 って感じで情報が錯綜しております。こういうことはすごくいいことだと思います。いつもゲーム音楽について僕も妄想をひけらかしておりますが、今回も僕の所感を述べさせていただく前にちゃんと言っておきたいと思います。

 

 ある作品のルーツや影響源を掘り下げて考えることは、新しい作品を生み出すために必須の行為です。ほんでもって、既存の作品に感動したり感銘を受けて自分の作品を二次的に作る行為の積み重ねが文化になっていきます。

 

 文化の発展の根源は人間の情操に訴えかける感動にあるといっても過言ではないんですね。これって素敵なことですよ。芸術作品や娯楽作品に限らず、技術や知識だって先人が「これいいよ」って考えたことが受け継がれていくわけですから、人間の生きる意味とか目的にも関わってくることですよ。いやマジで。

 

 だから「元ネタ」とか「パクリ」とか言ってわかった気になって、簡単にポイしちゃうのは超もったいないです。

 

 それでは、カロリー高めの話を真顔でしてみなさんがドン引きしたところで僕の所感を言っちゃいます。

 

 メトロクロス』の音楽は『マイナースイング』だと思います。

 

 多分、大野木さんは『マイナースイング』っぽいことをやりたかったんだと思う。あんまり音楽的なことを語っても面白くないからほんのちょっとだけ言うと、音楽では音をいくつか重ねたものをコードっていうのですが、この音の重ね方にマイナーとかメジャーとか色々あるんです。え? 知ってた? ごめんなさい。

 

 でね、そのコードの「m6(マイナーシックス)」っていう音の重ね方を多めに使って、ずんちゃ、ずんちゃ、ずんちゃってリズムで演奏すると『マイナースイング』って曲っぽくなる。この「ぽくなる」が音楽にはとても大事なんですけど、その話はまた別のゲームの機会にします。さらっと言うと「ぽくなれば下地はそれで充分」って感じ。

 

 余談ですが、作曲にあたって「9th(ナインス)又はadd9th(アドナインス)」っていうコードを使ったり付け足したりするとポリスの曲っぽくなりすぎて、逆に使いづらかったりします。これは武田性の方が問答無用で「テツヤ」と呼ばれてしまう現象に似ています。罪深き鉄也の存在感よ!

 

 おそらく『マイナースイング』で検索して、いくつか聴いて頂ければ、頷けるものがあると思いますよ。

 

 大野木さんはこのフランス発祥の古い音楽「マヌーシュジャズ」の『マイナースイング』を知っていらして、この雰囲気で『メトロクロス』の曲を作るか~って、なんとなく下地にした感じだと思います。

 

 プログラマーでありながらこのような音楽もご存知だったということが、そもそも驚きですし、一番の凄さは『マイナースイング』を『メトロクロス』に持ってきたことだと思います。いくらなんでも

 

 センス良すぎ!!

 

メトロクロス最大の謎!? 傷だらけのランナーは一体どこから来てどこへ向かうのか!

 

 それでは最後に『メトロクロス』に関して、僕が一番考えてみたかったことを徒然なるままに掘り下げてみたいと思います。え~とですね、『メトロクロス』を遊んでいますとですね、僕はとあることが気になって気になって仕方がないのですが、皆さんはいかがでしょうかってことなのですが。

 

 それはですね・・・

 

 

 

 

 

これどこでなにやってんの!?

 

 

 

 

 ってことなんです。もうそのことを考えているとなんとなく恐くなってくるんです。だって、時間に間に合わないと

電気ビリビリ

電気ビリビリで丸焦げだし・・・

 

 

巨大なカン

こんな巨大な缶飲んでるの誰よ・・・

 

 

いやいや怖い怖い怖い。

 

 

しかも、こんな地獄にもかかわらず・・・

女の子

ご褒美のチュー

 

 

 

 

いやわけわからん。

 

 

 というわけで、真剣に『メトロクロス』の世界観について考えてみたいと思います。先ず、そもそもタイトルの「メトロクロス」っていう名前。これはなんだろうってことなんですけど。

 

 ゲーム上の表記は英語で「METRO‐CROSS」で、メトロとクロスの間にハイフンが入って接頭辞になっています。ってことは、全体で一語として考えるということなので、メトロとクロスで分けて読むものでもないようですね。

 

 とは言え、一応分けて見てみると・・・

 

 METRO 地下・地下鉄

 

 CROSS 十字・越える・過ぎる などなど

 

 と、DeepL先生が教えてくださいました。ふむふむ。地下を越える。地下を過ぎる。地下鉄を十字に・・・

 

 地下を越えて(過ぎて?)自由を手に入れるってのは『メトロクロス』のストーリーとして考えられなくもないような気もします。

 

 だけど、「メトロクロス」って十中八九造語なので、この場合の「メトロ」は”地下鉄”とか”地下”のメトロっていうよりも

 

メトロポリスのメトロ

 

 でしょうね。これはゲーム画面にその要素がちりばめられています。

 

この窓の外の景色も

メトロポリス

 

この夕日の沈む街並みも

円ぢぃんぐ

 

 巨大未来都市メトロポリスの雰囲気ですよね。そもそも窓があるから地下ではないですし。まあ若干『あしたのジョー』の泪橋の向こうに見える風景にも見えるけど。

 

 ほんでもって、「クロス」は”越えて”とか”十字”っていうよりも

 

クロスカントリーのクロス

 

 ではないでしょうか。スキーの方ではなくて、自動車とかのオフロード走行を意味する方ね。岡本さんはレースが好きな方なので障害物レースっぽいゲームってことでクロスカントリーから引っ張ったんじゃないかとこっち勝手に考えてます。

 

メトロポリスクロスカントリーメトロクロス

 

 というところでお願いします・・・。

 

 ところで、いつものように映画からも世界観を探っていくために今回も観ました。『メトロポリス』の映画と言えば手塚治虫さんの原作をりんたろうさんと大友克洋さんが映画にされた2001年の方をすぐに思い浮かべたのですが、これだと『メトロクロス』の登場よりも遥かに後発の作品ですので、あっちの方です。

 

 

こっちの方です

メトロポリス映画



 SF映画の原点にして最高傑作と言われている1927年のドイツ映画『メトロポリスでございます。もろサイレント映画です。全編に亘ってクラシック音楽がバックでずーっと、あまりシーンやプロットの起伏に関係なくずーっと優雅にかかっているだけでありました。

 

 ホテルの朝食バイキングの食堂でかかっている音楽のようでありました! 

 

 

 

 

 

 深夜にNHKでやっている歴史ドキュメンタリーのようでありました!

 

 

 

 

 

 

 

 以上です!

 

 

 

 

 

 

 ってのは冗談で、この映画に『メトロクロス』要素がないかな~、なんて目線で観たのはもしかして世界で僕が初めてなんじゃないか、とか思いつつですね、しっかり観ました。

 

 なにしろ大好きな大友克洋先生もこの『メトロポリス』を観て、こういう巨大都市を描きたいとAKIRA』のネオ東京のヒントにしたと公言されているので、前々から興味があったんです(と言いつつ何年も観てなかったZE!)。

 

 ええっとですね、これがややこしいことにこの映画、地下の要素がかなり出てくるので、「え~、メトロクロスのメトロも地下って線あるのかよー」って、ちょっと思っちゃいましたが、多分それは偶然だと思います。

 

 超ざっくりとあらすじを説明すると(それでも長いのでめんどい方は太字だけさらっとで大丈夫です)・・・

 

 どっかにネオ東京型巨大都市がありました。

ネオ東京

 その巨大都市は地下で24時間交代制で働いている労働者たちに支えられています。巨大都市の地上では富裕層が遊んで暮らしています。

 

 ある日、富裕層側のトップの息子が労働者側のヒロインに恋をします。だもんで、下心も恋心もあるトップの息子は労働者側に絆されて労働者側の仲間になります。

マリア

 ヒロインは労働者側の女神様みたいな人でめさくさ慕われていて、人々に平和と希望を説いていました。トップの息子はメロメロです。

 

 富裕層側のトップはマッドサイエンティストにこのヒロインそっくりのアンドロイドを作らせます「あの娘慕われすぎててヤな予感するからさ」。

映画シーン2

 ヒロインそっくりのアンドロイドはヒロインのフリをして労働者達に革命を提案します。女神様が突然ジャンヌダルクになったので、労働者達はたまりにたまった不平不満に火をつけます。怒り爆発の結果、文字通り工場も爆発です。

 

 労働者のトップは茫然自失「俺ここまでは頼んでないし・・・」。

 

 実はアンドロイドを作ったマッドサイエンティスト富裕層の味方ではなく、まじもんのマッド野郎だったので、巨大都市の機械をすべてぶっ壊して混乱させようと計画してました。

 

 機械が全部壊れた都市は崩壊して大洪水です。水は地下に流れ込みます。

 

 地下の人々大ピンチ! しかも大人たちは地上で機械破壊革命に勤しんでいたので、残されていた子供たちだけがピンチです。

 

 地上で暴れていた労働者の大人たちは子供たちの危険を察知して号泣です。やがてその悲しみは怒りになり、革命を扇動したヒロインそっくりのアンドロイドに向けられます。アンドロイドは焼かれます。ジャンヌダルクの様に・・・

ジャンヌ

 一方、トップの息子は本物のヒロインと地下の子供たちを救出していました。そこへマッドサイエンティストが登場。思ってた以上の地上の混乱にビビったマッド野郎は本物も消しておかないと自分の身がやばいと判断します。

 

 ヒロインを守るトップの息子とマッド野郎が屋根の上で殴り合い。マッド野郎は屋根から落ちます。その様子を富裕層のトップや労働者側の偉い人も見ています。

 

 ケンカに勝利したトップの息子は労働者側の偉い人と富裕層のトップを握手させます。これにて一件落着。メトロポリス格差是正をしながら再発展してくことでしょう。

ラスト

 めでたしめでたし

 

 

 

 はい。僕はこの映画がヒトラーがドイツの首相になるほんの少し前の映画だと考えると歴史的に震えるモノがあると感じました。格差が抱える人間の不安がやがて暴力や犯罪に発展することは歴史的事実ですからね。それを映画は今も昔も描き続けて、我々大衆に訴えているんだと確認しました。正直な話、僕は恐かったです。

 

 んでメトロクロス』ですよ! こちとらファミコンメトロクロス』を探しに『メトロポリス』を観たわけですからね。だけど

 

直接的にはあんまり関係なさそう・・・

 

 しいて言えば、巨大都市メトロポリスってあんまり良いものじゃないよね。ディストピアだよねっていう共通認識があるということは、本当に感じました。

 

 このメトロポリスディストピア感が『メトロクロス』の世界観に与えているイメージは間違いなくあると思います。要するに悪夢的なんですよね。悪夢。これです。

 

 こういう認識が岡本さんを始め『メトロクロス』の開発スタッフになかったら、世界観を巨大未来都市のどこかに閉じ込められて走らされている、なんて設定はもってこないと思うんですよね。この点で『メトロクロス』と関係なくはないってところでした。

 

 

衝撃の真実! メトロクロスの世界は〇〇だった!!

 

 ではでは、次にストーリーから世界観を考えてみようってわけで、先ずは公式に発布されているストーリーを見てみましょう。

 

 と思って色々と検索していたら・・・!

 

 とんでもく貴重な動画を見逃していたことがわかりましたので、先ずはそれをこちらに貼り付けておきます。

 

 ネット上の動画は予告なく削除されてしまうことが多々あるので、見れなくなっていたらすいません。この動画は『メトロクロス』ファン必見です。見れるうちに見ておいたほうが絶対に吉です。

ナムコ(namco)レトロゲーム開発部 - ニコニコ動画 (nicovideo.jp)

 

 なんと当時の『メトロクロス』の開発風景なんですってこれ~っ!!

 

 この動画の中で、若き日の岡本さんが他のスタッフの方々と楽しそうに制作にあたっている姿が拝見できます。シンセサイザーを弾いていらっしゃるのが大野木さんでしょうか、手書きで絵を描いていらっしゃるのは北原さんでしょうか・・・

 

すんげー動画あんじゃん!!

 

 正直ここまで書いてきて、いまさら見つけてしまったことに驚いています。自分の下調べの甘さに反省しています。が、深呼吸して冷静になって見てみるとこの動画で僕が驚いたのはこの二点でした。

 

 先ず一つ目は

 

 

 

 

 

みんな超楽しそう

 

 

 

 

 

 

 うらやましいです。こんなに楽しそうに仕事をしている人達が本当にいたんですね。僕はそれこそファンタジーだと思ってました。ゲーム制作に対する憧れが膨らむよ。なんだこれは! 色とりどりの夢がDOSSARIかよ!

 

 そして二つ目は

 

 

 

 

 

ストーリーが漫画で描かれているだって~っ!?

 

 

 

 がーん!! すんげー見たい・・・。いや待ってくれえ~。そんなのあるなら、もうそれが原典じゃないですか。『メトロクロス』の世界観のすべてがきっとそこに。

 

 調べてみると、どうやらそのストーリーを描き起こした漫画は『マイコンBASICマガジン』の1985年7月号に掲載されたことがあるらしいんです。な~に~っ!?

 

 まじか~・・・ ちょっとちょっと、それを読まないでストーリーは語れないじゃないですか。

 

 ねえ・・・  

 

 ちょっと一回考えさせてください・・・

 

 

 

 

 

 

 

 う~ん・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 む~・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マイコンマガジン

買いました!

 

 

 駿河屋さんで買いました。すごいですね。ちょっと高いけど当時の雑誌が実際に手に届くと感慨深いものがあります。

 

 さっそく読んでみたいと思います。と、その前に背表紙は・・・

 

 

 

 

 

ほい・・・え?

背表紙

 

 

 

 

 

か、かわいい・・・

工藤夕貴



 

 若い頃の工藤夕貴がめちゃくちゃかわいくて『メトロクロス』のことを忘れてしまいました。

 

 しばらく気のすむまで工藤夕貴をネット検索したのちに、気を取り直して、ついに中を開いてみましたよ! ちなみに彼女は現在静岡で稲刈りをされていました。う~む。

 

 

 

ありました! 特集記事が!

特集記事

 

 

 

 そしていよいよ漫画の記事です!

 

 

おお! では読んでみます。

メトロクロス漫画

 

 

 

 ふむふむ・・・

 

 

 

 

 

 なるほど・・・

 

 

 

 

 

 

 って、ええええええーーーーー!!!!

 

 

 

 

 

なんじゃそりゃ!!!

 

 

 

 

 

 

 これが読み終えた僕の感想でした。流石に雑誌の内容を全部掲載してしまうわけにはいかないのでがんばって文章で描写します。

 

 先ず最初にこう書いてありました。

 

 ツタウロ恒星歴 2200年

 宇宙は破滅への道を歩んでいた・・・

 

 はい。ツタウロってのは岡本達郎さんの、タツロウのアナグラムですね。恒星歴ってのはなんでしょう。星の誕生から数えてってことなのかな。だとしたらめっさくさ若い星ってことになると思うんですけど、それでいいのか、この設定・・・

 

 宇宙は破滅への道を歩んでいた、と続けるにはあまりにも若すぎる星が舞台の設定。2200年て、多分宇宙の中では赤ちゃんみたいな星ですよ。

 

 んで漫画の内容はこんな感じです。

 

 胸に達郎の達の字がでっかく印字された服を着た主人公がAKIRA』第2巻に出てくるオリンピック建設現場の地下道そっくりの場所で仁王立ち。そしてこう叫びます。

 

 おれは誰なんだ!!

 

 彼は記憶喪失なんです。そして胸に達の字が入っていても自分が誰か思い出せず、場所がどこかもわからず苦悶します。そして

 

 このどこまでも続く廊下は・・・

 なにか巨大な建造物か・・・

 それとも宇宙船の内部か・・・

 

 「わからない・・・」と主人公は膝をつきます。僕はAKIRAに出てくるオリンピック建設現場の地下道だよ! 先へ進むと最後にアキラが眠っているよ!」と教えてあげたくなりました。

 

 そんなことを知る由もない主人公は苛立ちのあまり壁に鉄拳を打ち込みます。

 

 ドカーン

 

 すると、ズズズっという地響きと同時に天井が崩れ落ちてきました。慌てる主人公。もう走り出すしかありません。「うわ~~っ、く、くそ~~っ」

 

 目の前には「この先危険」の立て看板が! しかし止まるわけにはいかない主人公。看板の向こうの穴に向かって決死のジャンプ、「オ~~リャーッ!!」

 

 ドスっという音と共になんとか壁にしがみついて落下を免れた主人公。おそるおそる下を見ると底がわからないほどの高さだとわかります。「うわ~~っ」

 

 しゃかしゃかとパズーのように壁をよじ登り、なんとか足の着ける場所まで到達。「し・・・死ぬかと思った・・・」と呟いた次の瞬間、今度は床が崩れ落ちてしまいます。

 

 わ~~~~

 

 ドスーンという音がしたかと思うと、もくもく砂埃の向こうから巨大な「GAME OVER」の文字が主人公にのしかかります。「あ・・・あほか・・・ オレはまだ死んどらんぞ!!」

 

 と、辺りを見まわすと「ここもまた廊下だ」と気づいたのも束の間、ズゴゴゴという音と共にまたしても天井が崩れ落ちてきます。「え~いなんちゅ~しつこさだっ!」

 

 「いったいいつまでこーやって走ってりゃいいんだ!?」と嘆く主人公、出口はないのか? と走り続けると廊下の向こうに影が見えます。「ありゃあなんだ?」

 

 

 ゴロンゴロン

 

 「なんと!!」前方から現れたのは転がってくるドラム缶(ジャンボカンじゃない)だったのです。「どーすりゃええんじゃっ!!」

 

 と主人公「はっ」と言う声と共にジャンプ! すると100PTSの文字が宙に浮かびますが彼は気づいていません。「ほっあらよ」小気味よくジャンプでドラム缶をかわす主人公。

 「まざっとこんなもんさっ」とかっこよく髪をかき上げたのも束の間、今度は後方から更に大きなドラム缶が廊下いっぱいに転がってきます。「ひえ~っ!!」

 

 すると前方に見えるハシゴ! なんとかハシゴによじ登り難を逃れた彼はハシゴを登り切ります。するとまた別の通路が広がっています。「あっまた通路じゃないか!!」

 

 おそるおそる歩き出すと「人だっ!! 助かるかもしれない!!」と前方に人影らしきものを発見。「お~いっ!!」と喜び走り出す主人公。ところが「な・・・!?」

 

 人影と勘違いしたものの正体は巨大なチェスの駒二つだったのです。勢いよく飛んでくるナイトとクイーン。「こなくそ~~っ」

 

 バキッ 1000PTS

 

 なんと向かってきたチェスの駒に向かって主人公はパンチを繰り出して破壊に成功(まじかい)。「よーしくるならきやがれ!! やったるぜ~!!」

 

漫画2

衝撃の格闘シーン

 必殺の裏ワザ級格闘術をみせた主人公がさらに進むと「おやっ!?」前方にシャッターが見えてきます。シャッターの上部にはお店の看板よろしく「ROUND1 CLEAR」の文字が。

 

 「・・・そうか・・・これはゲームだったんだ・・・」「誰のしわざか知らんがこったことしやがるぜ」「まてよ! オレはこんなゲームに100円入れた覚えはないぞ!?」

 

 と、イカゲームのような世界の中にいると気づいた主人公。

 

 「そうとわかれば・・・よーし!」「この先何が出ようとやっろうじゃねぇか!」「いくぜーい」READY! START!

 

 と、心を決めて次のラウンドを走り出した主人公。ところが!

 

 メリメリメリメリ

 

 「うわ~~っ」「助けてくれ~」「わ~・・・」

 

 響き渡る主人公の断末魔。

 

 なんと、メリメリと音を立てて通路の壁や天井、床までもが主人公に押し寄せるように圧縮。まるで膨張した力を抑えられない鉄雄に飲み込まれてしまうカオリのように(!!)。 圧死・・・

 

 がばっ

 

 ごく普通のアパートの一室、ベッドの上で目を覚ます主人公「ゆ・・ゆめか・・・」

部屋には窓から穏やかな日の光が差し込み、昨夜遊んでいたチェス盤の駒を照らしています。

 

 「あ~あまったく寿命が10年ちぢんだぜ!」と言ってパジャマ姿の主人公は大きく伸びをします。そして朝の光を浴びようと窓に手をかけ「さぁ~て、と」

 

 あんりゃ!?

 

 窓の外に広がる景色。見慣れた日常がそこあるはずだったのに・・・

 そこに広がっている世界は長い無機質な通路。そして中空に浮かび上がる文字は、

 

 ROUND2 READY!

おしまい



 

 

   おしまい。

 

 

 

 

 

 夢オチ~~~~っ!!

 

 かと思ったら

 

 やっぱり現実~~~~っ!!

 

 

 

 

 

 いやなんじゃこりゃ~~~~~っ!

 

 

 

 

 

 いや、これ正直驚きの連続でした。ちょっと高かったけど買ってみて本当によかった。傷だらけのランナーは一体どこでなにをやっているのか、この問いの答えは・・・

 

 睡眠中に悪夢を見続けている

 

 

 ってことになりました。まあ要するに夢オチだったんです。漫画では御法度とされている夢オチ。読者を裏切る行為とされていますが、この作品では夢か現実かよくわからないってことにして一応ひねってありますけど。まあ夢オチですね。

 

 

 とはいえ、メトロクロスに出てくる長い通路は大友克洋の『AKIRA』に出てくる地下通路がモデルになっていたということに驚きました。むしろこっちでスッキリ溜飲が下がりました。※完全に誤りでした。後述しています。

 

 先に映画『メトロポリス』を紹介しましたが、その映画の影響を受けている『AKIRA』の世界観に更に影響を受けて構築されたのが『メトロポリス』の世界観だったんです。ここまでは間違いないと思います。※ここも完全に間違いでした。すいません。

 

メトロ

メトロの方

 

アキラ

アキラの方

 

 あーよかったよかった、わかってよかった。なんて思って、『メトロクロス』の掘り下げも終わりだ~なんて安心していたんです。

 

 

ところが!!

 

 

 主人公の”傷だらけのランナー”こっちに注目していたら巨大な事実に気づいてしまったんです。もうね、完全に僕の間違いでした。

 

 ついさっき溜飲が下がったなんて言ってしまいましたが僕の誤りです。完全に『AKIRA』にばかり目が行ってしまい、気づかなかったんです。

 

 ついに本当の『メトロクロス』の世界観のモデルにたどり着きました。もうこっちで間違いありません。

 

 衝撃の真実! メトロクロスの世界観のモデルはあの超有名映画だった!!

 

 

 では。行きます。僕は『メトロクロス』の世界観のモデルを、そのタイトルから映画『メトロポリス』に着目して、さらには大友克洋の『AKIRA』にまで考えを進めていました。

 

 そして上記した通り、『メトロクロス』の漫画から『メトロクロス』に出てくるあの廊下は『AKIRA』に出てくる地下施設の通路をモデルにしてるんだなーなんて勝手に納得していたのですが、キャラに目を向けたら気づいちゃったんです。すいません。

 

 こちらをご覧ください。

 

メトロクロスジャケ

 

スターウォーズ

 

 いかがですか?

 

攻略本

 

ルーク

 

 もうおわかりですよね。

 

 

 

 そうだったんです!! なんと『メトロクロス』の主人公”傷だらけのランナー”のモデルは岡本達郎さんである以前に・・・

 

 

スターウォーズ』の反乱軍パイロットのスーツがモデル

 

 

 がーん。こうなるとさっきの漫画のプロローグが随分違って見えてきます。もう一度見てみましょう。

 

 

 ツタウロ恒星歴 2200年

 宇宙は破滅への道を歩んでいた・・・

 

 

 言われてみればスターウォーズっぽい!!

 

 

 

 

 さらにさらに・・・

デススター

 

この場所って・・・

 

デススター内部

 

 

 

 デススターの内部やんけ~~~~っ!!

 

 

 

 

 はい。僕はもう興奮で震えました。これだからファミコンの掘り下げはやめられない。まさか『メトロクロス』の世界観の正体が『スターウォーズ』だったとは思いもしませんでした。

 

 というわけで、最後に断言いたします。

 

メトロクロス』の世界観は映画『スターウォーズ』をモデルに作られており、ランナーの走る通路は同映画のデススターの内部がモデル

 

 

 ということで、今度こそ間違いないでしょう。ありがとうございました!!

 

 

 では、いつものように今回も長くなりましたが・・・

 

メトロクロス』はランニングアクションゲームの原点であり、語り継ぐべき傑作です! 言うまでもなく再神作!

 是非もう一度プレイしてください!!

 

 

 

おまけ

 

 いやあ、タイパなんていう言葉が流行する時代にこんな長いブログにお付き合いいただきありがとうございました。『メトロクロス』の世界観の謎がとけて本当によかったのですが、実は調べている過程でものすごい謎が見つかってしまったので、最後にみなさんとその巨大な謎を共有して終わりにしたいと思います。

 

 正直驚きますよ!!

 

 僕は今回『メトロクロス』のモデルが途中までは本当に『AKIRA』だと思い込んでしました。

 

 なのでそういう目線でマイコンBASICマガジンの『メトロクロス』の漫画を読んだので、最初は「あーアキラやアキラや、これもアキラや~」なんて見ていたんです。

 

 こちらをご覧ください。

メトロクロス圧死

 

 

 初見ではこの主人公が圧死するシーン。なんの疑いもなく『AKIRA』のあのシーンだなって思ったんです。そうです。

 

このシーンです。

カオリ圧死

 

 

 違和感に気が付きましたか? 僕は正直まだ震えています。何が謎なのか・・・

もう一度これを見てください。

 

マイコンBASICマガジン

メトロクロス圧死

1985年7月に掲載

 

 

原作にはないアニメ映画だけのこのシーン

カオリ圧死

1988年7月に公開

 

 

 

 

AKIRA』の方が後なんです!

 

 

 がーーーーん!!

 

 

 この謎について、なにかわかる方の情報をお待ちしております。

 みなさんは偶然の一致だと思いますか? もちろん『メトロクロス』発表以前に発表されていた『AKIRA』の原作漫画には上記のようなシーンは出てきていません。

 

 大友先生が偶然にも読んでいたベーマガの片隅に描かれていた漫画を読んで、このシーンいいなあ、なんて思ったのでしょうか・・・

 

 まったく謎です。

 

 

 

 それではまたお会いしましょう!

 

 

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ゲーム再神作!vol.5 鉄拳下克上!!パンチアウトでマイクタイソンに挑め!!

マイクタイソン・パンチアウト

これが無差別級ボクシングの大迫力っ!!

任天堂から空前のデカキャラアクションゲームが発売!

 どらららっ!1987年はファミコンボクシングゲームにとって、いやさ、後のゲーム史にとって超重要な年になったのだ~っ!!

 そう!1987年6月に発売されたナムコ『ファミリーボクシング』に続いて11月には満を持して『マイクタイソン・パンチアウト!!』を任天堂が発売したっ!

 今回は任天堂の快作『マイクタイソン・パンチアウト!!』を熱狂大紹介するぞっ!!よけて打つべし!! かわして打つべし!! 決めろカウンター!!  唸れ必殺アッパーカットっ!! 

 

うぉっ!パンチが金網を打ち破った~っ!!

タイトルgif

 

←お~っ! かっくいいっ! まるで映画の予告みたいだぜ!

 

リトル・マックとドック・ルイス。二人の戦いが今、始まる… 

 

 

これは勝利への物語なのだ!!

 

ゲーセンで人気の本格ボクシングゲーム『パンチアウト!!』が『マイクタイソン・パンチアウト!!』になってファミコンに大登場! 数々のライバル達を打ち負かし、マイクタイソンに挑戦だっ!!
 

デカキャラに驚き

ドデカキャラがリングを圧巻席巻!!

 キミんちのテレビ画面にビッグな敵キャラがど~んと登場!! 驚きの大迫力に圧倒されるぞ!!

ピストン本田

 でかっ! ピストン本田の強烈アッパーが空を切った!! こえ~っ!!

 

キングヒッポー

 



 

 

 

 

↓この大男に勝つことができるのかっ!?

ボールドビル


 『マイクタイソン・パンチアウト!!』の魅力はなんといってもこのデカキャラ達!!

小柄なリトル・マックとの対比も相まって敵キャラが余計に大きく感じるのだっ!!

 

ダウンを奪ったときの気分は最高っ!!

本田ダウン

 

操作性バツグン

蝶のように舞い、蜂のように刺す!よけてかわして打つべし打つべし!!

 抜群の操作性が瞬間の戦いを演出するぞっ!!

 

よけて打つべし打つべし‼

よけて打つべし

 

かわして打つべし打つべし打つべ~し‼

かわして打つべし



おっつぁーーーーーーん‼

おっつぁーん

ジ、ジョー・・・おめえってやつぁ・・・

 

必殺アッパーカット

←おりゃっ! あれ・・・? 必殺アッパーカットはかわされやすいから打ち所が重要だ!!

  

 

 『マイクタイソン・パンチアウト!!』は操作性がバツグン!! キミの反射神経がそのままリトル・マックの動きに反映されて、動く動く。瞬きも許されない相手のスキを狙い撃ちするのだっ! 緊張感もすごいぜ~~っ!!

 

 

みんな強そう

戦いはクライマックスへ!! 

個性豊かなライバル達が続々登場!!

 ドイツの皇帝、南の島の大王、でっかいハゲ、大日本人、筋肉おばけ、そしてマイク・タイソンっ!!

 

王冠

↑体重不明はやばすぎない?

 

笑っとる

めっさ笑ってるやん・・・

 

フラメンコ

めっさ踊ってるやん・・・

 

 『パンチアウト!!』最大の魅力は個性的な敵キャラクター!! 次から次へと面白い敵キャラが出てくるからワクワクが止まらないっ! 個性的な彼らは戦い方も個性的だから、よく考えて戦う必要があるのだっ!! うぉぉっ!待ってろタイソ~ン!!

 

 

独断偏拳攻略法伝授‼

モジゃニコ


 

 こんにちは。モジゃもんです。ここからは僕が”パンチアウト”で遊ぶときにやっている攻略法をお教えします。同じゲームで遊んでいるクラスの友だちの話、くらいの距離感で見てくれるとうれしいです。 

 

その1  

相手のパンチ前モーションをよく見ようっ!!

パンチアウトは相手の動きに合わせて動く、受け身対応型ボクシングです

 

首が動いたら・・・かわす!!

首カイザー

 

手を高く上げたら・・・打つ!!

手を高くあげる



モジゃニコ


 

 『パンチアウト!!』は敵キャラの動きをよく見て素早く対応。これが基本です。初めはむつかしいですが、これが面白さの肝なので先ずは相手をよく見てください。

 

その2

必殺アッパーカットはすぐ使おうっ!!

必殺技は溜めておく意味がないので星が出たらすぐ使ってOKです!

 

星が出たら、ジャブってアッパー!

どりゃっせーい

 

星が出たら、ジャブってアッパー!

すかっ

あら・・・。

 

モジゃキラ


 

敵キャラ毎にパンチが特定のタイミングでヒットすると星がキラっと飛び出します。この星が出た回数がそのまま必殺アッパーカットの打てる回数になるのですが、この数。敵のパンチを受けると減ってしまうのですぐ使う方が得策です。

 

勝利に向かって走れ!!

勝利に向かって

 

その3

敵の動きを覚えようとして覚えようっ!!

はい、そうです。このゲームはなんだかんだで覚えゲーです。なのでラウンド開始前から全身で覚えるぞって感じで前のめりに意識を集中させてください。そうすれば・・・

 

こいつらも、

TKO



こいつも!

どずぅううん

 
 
 
こいつだって!!

マッチョマン



 

この通り!!

KO



 

んで、こうなって、

トロフィ

 

 

 

こうなって!

チャンピオン

 

 

 

こうなるからっ!

マイクタイソン・パンチアウト

って、あれ・・・タイソンは??

 

い・・・以上です。スタジオさーん!!

 

ゲーム再神作徒然話

 では、ここからは私、モジゃもんがじっくり考えて決めた懐かしいゲームをたっぷり遊んで評論させていただいて、再び神作となるサイシンサクか、思い出補正だけが拠り所の懐古ゲームかを考える「ゲーム再神作徒然話」です。

 

 今回遊んだのはFC版『マイクタイソン・パンチアウト!!です。1984年にAC版『パンチアウト!!』が稼働され、FC版の本作は1987年11月21日に発売されています。制作はビッグボス任天堂です。

 

 FC版『パンチアウト!!』は景品版の"タイソンが出ない方”と一般販売版の"タイソンが出てくる方"との二つがあります。先発の景品版は1987年6月14日発売のディスクシステム用ソフト『ゴルフUSコース』のトーナメント企画の景品として制作された、とされています。僕はこれ正直、なんのこっちゃ!? って思ったので少し調べました。

 

このゲームの景品だった 

マリオゴルフUS

 

 ゲームのゴルフトーナメントって何?って感じなのですが、『ゴルフUSコース』でスコアを競いましょうっていう任天堂の公式企画なんです。オンラインもない時代に一体どう行ったのか! って気になりますよね。これね、僕も全然覚えていなかったのですが、ディスクシステムにはとあるキャッチがあったんです・・・

 

”夢が送れるディスクシステム

 

 はい。ディスクシステムは夢が送れちゃうんです。どういうことかというと、当時の任天堂ソフト取り扱い店舗にはディスクシステム用ゲームデータ書き換え専用のポストみたいな機械が置いてありました。この機械を『ディスクライター』と呼びます。これは覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。僕も鮮明に覚えています。

 

 んで、この機械と見た目そっくりの機械がもう一つありまして、そっちは『ディスクファックス』と呼びます・・・って、そんなもんあったっけ? 全然覚えてないZE!

 

 このファックスの機能がディスクにセーブしたデータを任天堂に送れるというものだったそうです。ファミコンのROMカセットはセーブできること自体が珍しかったですし、データのやり取りなんて到底不可能でした。ディスクシステムはそれを可能にした画期的なものだったんですね。任天堂すげえ・・・んなことやってたんか。

ディスクシステムとは? (nintendo.co.jp)

 

 もうおわかりですよね。『ゴルフUSコース』のゴルフトーナメントとはこの機能を利用したイベントだったわけです。当時の任天堂は同ゲーム発売日の6月14日から8月31日までを大会開催期間としてデータを募集しています。夏休みの終わりまでってところがニクイですな!

 

 んで、この大会の上位10,000人に『パンチアウト!!』が配られた、というわけだったんですね。当時のCMを某巨大動画サイトで観てみると「どんどん参加!それそれ参加!」なんて楽しくアナウンスされてました。特に面白いのが、そのCMの最後に「合計10,000名様に幻のソフト『パンチアウト!!』をプレゼント!」って言ってるんです。

 

 良いですよねこれ。「マボロシ」って80年代には多様されていたキッズワードだった気がします。幻のなんちゃらって最近はあまり聞きませんが、昔は確かによく使っていましたし、よく見かけました。

 

 景品の発送以前にもう自社で幻認定しちゃってるこの景品版『パンチアウト!!』これの後発として『マイクタイソン・パンチアウト!!』がいよいよ登場と、相成ったわけで御座います。

 

 ですけどね。先述のゴルフ企画の応募期間が8月31日までですよ。で”タイソン出る方”の発売は11月21日です。めっさ期間短いですよね。3か月未満です。ということは、任天堂ハナからタイソンくっつけて一般販売する予定だったんじゃないの? と、思ったりするのですが、公式には「欲しいという声がたくさん寄せられたから」くらいの理由で話されていました。

社長が訊く『PUNCH-OUT!!』 (nintendo.co.jp)

 

 いやいや、8月31日に応募締め切って、景品発送して、プレイした人のリアクションが任天堂に寄せられて、一般販売企画して、タイソンサイドに許可取って、タイソンのキャラデザして・・・・って、

 

三か月じゃ無理じゃね?

 

 しかも、この”タイソン出る方”の発売によって、任天堂のアナウンス通り、後追い的に景品版は本当に幻になっていく辺り・・・任天堂の企画力のしたたかさをビンビン感じます。(ちなみにこの話、色々調べていくうちに”真相”がわかったので後述致します)

 

 というわけで、繰り返しになりますがFC版『マイクタイソン・パンチアウト!!』が正式に一般発売されたのは1987年11月21日となります。調べてみて面白かったのは数ある任天堂のゲームソフトの中でもマイク・タイソンの様に実在の人物がゲーム名に冠されたソフトは数作しかないんです。タイソンの他は誰かといいますと・・・

 

プロ雀士 井出陽介

井出洋介

Wii『井出洋介の健康麻将』2008年5月20日発売

このお名前、ファミコン時代にも麻雀ゲームでお見掛けしましたよね。

 

医学博士 川島隆太

脳トレ

DS東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング2005年5月19日発売

言わずと知れた脳トレ先生です。

 

漫画家 さくらももこ

さくらももこ

GBAさくらももこのウキウキカーニバル』2002年7月5日発売

こんなソフトあったんですね、知りませんでした。

 

ほぼ日 糸井重里

糸井

SFC糸井重里バス釣り NO.1』1997年2月21日

 マザー以外にもね。なんならHAL研の役員だったみたいですし。

 

ミポリン 中山美穂

ミポリン

 FCD中山美穂のトキメキハイスクール1987年12月1日発売

ミポリ~ン!! ってか、タイソンと発売日がめっさ近い!!

詳細は割愛しますが、このゲームも上述の夢が送れるファックス要素があります。

 

 面白いですよね。天下の任天堂のソフトに名前が冠されたことがある著名人はタイソン含めて6名のみ(見落としがあればご指摘下さいしかもこのラインナップですから。あの人と”やっと会う”前のミポリン統一王者になったばかりのタイソンの二人は、自分の名前が冠されたゲームが制作販売されることを知ってたのかな・・・

 

 と思ったら、お二人とも思いっきり当時のCMに本人出演されていました。ミポリンは可愛すぎるわ、タイソンは恐すぎるわ、マジで見応えあります。是非検索してご覧になって下さい。

 

 てか、ミポリンが絶美人すぎて、この記事から中山美穂関連検索でネットの海に泳ぎだしていく人が一定数いそう・・・。I・KA・NA・I・DE!!

 

 『マイクタイソン・パンチアウト!!』に話を戻します。僕の本作との出会いは正に衝撃でした。80年代のとある日、兄に連れられて、兄の友達の家に行きました。その家にあがると六畳くらいの居間にドーンと大きいテレビがあって、そのテレビで遊ばせてもらったのが『マイクタイソン・パンチアウト!!』だったんです。

 

 それはそれはキャラが大きく見えたんですね。なんせテレビは大きいし、僕はまだ小さかったですから。んで、兄と僕とその友人の3人でしばらく遊ぶんですけど、グレートタイガーがまったく倒せないんです。マジックパンチの攻略がちっともわからなくて三人でわーわーと。それまでのファミコンソフトとは異質な興奮があったことを鮮明に記憶しています。

 

 上記したリンク先に詳しく出ていますが、AC版を制作された中心人物は竹田玄洋さんと宮本茂さんだったそうです。現在の宮本さんは文化功労者ですし、竹田さんは特別顧問の肩書でいらして、お二人とも任天堂の超お偉方です。

 

 そしてFC版を制作された中心人物は竹田玄洋さんと和田誠さんだったそうです。当時の話、和田さんがレフリーのマリオをデザインした際、チェック体制が今より甘かったらしく「僕が勝手に描いたからちょっとおかしなマリオ」なんてリンク先のインタビューで仰っていました。

 

 音楽の担当は山本健誌さん、兼岡行男さん、中塚章人さんの三名がクレジットされています。御三方共にまごうことなきゲーム音楽黎明期の巨人です。

 

 本作は任天堂最初期のサウンドを担当されていた兼岡さんと1984年入社の中塚さんと比較すると、ややお若い1987年入社の山本さんがメインで担当されていたようです。

 

 86年入社の和田誠さんと87年入社の山本健誌さんが起用されている辺りを鑑みるに、FC版『パンチアウト!!』は若いチームにメインで制作させよう、なんて意図が会社側にあったのかもしれませんね。そうなると何故最初は景品版で発表されたのか、わかるような気がしないでもないがどうなんでしょう。


 『パンチアウト!!』はAC版にも続編があり、これのほぼ移植作のようなモノが1998年3月1日にニンテンドウパワーで出ています。2009年には満を持してWiiが発売されました。Wiiの北米版ではセコンドのドック・ルイスと戦えるバージョンもあるようです。

 

 非常にマニアックなニンテンドウパワー版の『スーパーパンチアウト!!』はさぞスーパー面白いんだろうな、と思って僕も遊んでみましたが・・・。やっぱり面白いんだけどスーパーではないなくらいの薄い印象でした。すいません!

 『パンチアウト!!』が持つ一定の面白さはあるけど、FC版のような爽快感と軽快さには欠けると思います。ご興味があればSwitchにもダウンロード版があるので是非!

スーパーファミコン Nintendo Switch Online ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

 

 Wii版の方は後で詳しく話しますが、かなり面白いです。FC版の話をする前にこちらの話をするのも決まりが悪いので後に回させてください。ここではキングヒッポーの人格が完全にウホウホゴリラで獣人化していたことだけを報告して次へ参りたいと思います。奴はゾオン系です。

 

 こんなところで枕話はそろそろ切り上げて本題に入りたいと思います。今回はボクシングが題材のゲームなので長くなりそうだなと敬遠していたのですが『パンチアウト‼』は今でも年に2回くらいはついつい遊んでしまう作品ですし、やったらやったでいつも「やっぱ面白い」と感じるのは何故なんだ!? に迫るためにも行ってみたいと思います。長いYO? それではレッツゴー!!

 

『マイクタイソン・パンチアウト!!』はゲームの面白さの本質を体感できるゲームだった 

〜ボクシングから考えるゲームの面白さの秘密〜

 

 今回は『マイクタイソン・パンチアウト!!』が何年経っても色褪せない面白さがあるのはなんでなん? という疑問を考えていきます。

 

 なので先ずは基礎となっている『ボクシングゲーム』ひいては『ボクシング』そのものについてざっくりと見て、ボクシングの面白さって何?について迫りたいと思います。

 

 ほんで、わかったことを『マイクタイソン・パンチアウト!!』に照らして、このゲームの特徴を紐解きながら”ゲームの面白さの本質”にまで辿り着こうって、内容でいこうかしら・・・って堅い? 大丈夫なのかこれ・・・

 

ちょっと一回ミポリン挟みましょう!

 

 

ミポリン2

絶美人再び

 

ちょっと待て!「ミポリン」検索っと、じゃないんだよ!!

 

格闘ゲームのルーツはボクシングゲームにあった

 さて気を取り直しまして『パンチアウト!!』と言ったら、とにもかくにもボクシングゲームです。そもそもボクシングゲームって今現在でも携帯アプリはもちろん、新しいハードが登場するとほぼ間違いなく新作が作られるゲームの一つですよね。

 

 ってことは、ボクシングゲームってジャンルが確立されてることがわかるんですけど『マイクタイソン・パンチアウト!!』発表当時の87年11月までにはどんなボクシングゲームがあったのかなってことで見てみると・・・

 

1『 ヘビーウェイトチャンプ』セガ 

2『BOXINGアクティビジョン 

3『ヘビーボクシング』 HAL研究所 

4『チャンピオン・ボクシング』セガ 

5『アーバンチャンピオン任天堂 

6『パンチアウト!!任天堂 

7『キングオブボクサー』ウッドプレイス 

8『コナミのボクシング』コナミ 

9『スーパーパンチアウト!!任天堂 

10『ロッキー』セガ

11『ファミリーボクシング』ナムコ 

 

 こんな感じで見つかりました。順々にボクシングゲームの歴史を見ていくとある重大な事実にたどり着くんです。それはなんと・・・

 

任天堂がマイクタイソンを『パンチアウト!!』に採用したことは必然だった

 

ってことなんです。うそーーん。いやいや嘘ではないです。それでは一緒に見ていきましょう。

 

『 ヘビーウェイトチャンプ』76年10月 セガ AC

ヘビーウェイトチャンプ筐体 ヘビー画面

 なんともボクシングに見えないゲーム画面ですが、こちらゲーム史にとって重要な作品とされています。世界初のボクシングゲームであると同時に世界初の対戦格闘ゲームだそうです。すげ~!今や筐体もほとんど残ってないらしく”幻”の作品。

 

BOXING80年 アクティビジョン ATARI2600

ボクシングボクシング画面

 こちら俯瞰視点のボクシングでございます。パッと見寂しいゲーム画面ですが、プレイ動画を見てみると効果音がボコんボコん鳴ってて結構面白そうでした。連打ゲームらしいです。しかしアクティビジョンもこんな黎明期からの会社だったとは! 不勉強でした。

 

『ヘビーボクシング』83年 HAL研究所 MSX

HAL研ボクシング

 HAL研究所のボクシングです。画面がかなりボクシングらしくなってきました。特筆すべきなのは体力ゲージですよね。それと大事なのは、かなりピコピコですがBGMっぽいものが少しついてるんです。さすがHAL研。かなり歩みが進んだ印象。

 

『チャンピオン・ボクシング』84年10月 セガ SG-1000

チャンピオン・ボクシングチャンピオンボクシング画面

 セガのボクシング第二弾です。こちらはシェンムー』でご存知の鈴木裕さんが初めてディレクションした作品且つファンタシースター』等のデザイナー小玉理恵子さんが初めてキャラデザした作品として記念碑的な作品となっています。上段下段のガードが登場、体力ゲージ、前進後退、2D、画面端不利などなど、後の格ゲー要素がてんこ盛りです。鈴木裕さん流石です!

 

アーバンチャンピオン84年11月 任天堂 FC

アーバンチャンピオンアーバンチャンピオン画面

 これをボクシングととるか? というと異論ありますが、ボクシングゲーム史はもちろん格闘ゲーム史にとっても超重要作品なのでとりあげます。今回調べてみて驚いたのはこのゲームがセガの『チャンピオン・ボクシング』の影響を多分に受けているということでした。なんならタイトルにも”チャンピオン”て入ってるしね。

 

 上段下段のガードと前進後退の要素及び2Dとキャラの大きさなどは非常に『チャンピオン・ボクシング』しています。しかし、この作品の凄さはヒットバックと吹っ飛ばしダウンからのライン上げ、という現在の2D格ゲーでも非常に重要な要素が肝になっているよってことです。

 

 更に! 大パンチと小パンチの差別化がされていることで、これまでは相手に詰め寄ってボタン連打するだけだったボクシングゲームの単調な戦いから、間合いを取り合ってパンチを”当てる・置く・差し返す”という2D格ゲーにおける地上戦の基本概念を生み出すことに成功しちゃってます。任天堂すごすぎっ!ゲーム界のコペルニクスや~~!!

 

 しかも、今回の僕の結論に関わるのですがアーバンチャンピオン』の面白さと『マイクタイソン・パンチアウト』の面白さは本質的に同じ部分があるんです。う~ん、盛り上がってまいりました!

 

パンチアウト‼』84年 任天堂 AC

ACパンチアウトチラシACパンチアウト

 ここでいよいよ『パンチアウト‼』の登場ですね・・・って、おいおいおい!嘘だろっ! ってくらいここでボクシングゲームの歴史的飛躍が起きちゃってます。何かわかりますか? ・・・その通り! 現在でもボクシングゲームで主流のサードパーソン視点。これを初めてボクシングに採用したのは『パンチアウト‼』だったんですね。僕は正直知りませんでした。すげ~。

パンチアウト筐体

 このサードパーソン視点はアーケード筐体に文字通り”対峙して”プレイする、というプレイスタイルに相性がいいですよね。2D格闘ゲームの王ストリートファイター』の筐体も立ってプレイするものがありましたが必然性皆無でした。しかもあれ、ボタンがくっそでかかったし、なんだったのあれ・・・?

 

 で、この『パンチアウト‼』のヒット以降、ボクシングゲームにサードパーソン視点型というジャンルが一つ追加される、というわけだったのであります。

スト筐体

で、なんだったのこれ

 

『キングオブボクサー』85年 ウッドプレイス AC

KOBタイトルKOB

 みなさんご存知、ウッドプレイスのKOBこと『キングオブボクサー』です・・・って、なんじゃそれ!?  これナムコの『ファミリーボクシング』やんけーやんけーせやんけワレー・・・。と驚いてしまいますよね。

 

 先ず、ウッドプレイスという会社はニチブツこと日本物産から独立された方が興した会社で、当時はデータイーストと販売や製造で提携があったようです。海外では『リングキング』という名前でデータイースト表記になって発売流通されていたみたいなのですが、それはFC版なんです。ん?? どゆこと?? デコゲーなの?

リングキング

 これ、ゲーム性は完全に『ファミリーボクシング』です。これまでのボクシングゲームの歴史からみると孤高のオリジナリティですよね。視点は奥行きのある若干俯瞰気味のサイドビューで、ベルスクっぽいけどもう少し上からの視点のような、要はキャラが縦並びになることができる。現在の3Dボクシングゲームのひな型ととれなくもないです。

 

 調べていて気付いたのですが、このゲーム性にそっくりのゲームがありました。

カネコの『火激』88年です。

火激

 『火激』は88年ですので87年にFC版の『ファミリーボクシング』が発売された後なんですね。確かに『火激』のプレイ感と『ファミリーボクシング』のプレイ感は似ていますよね。

 

コナミのボクシング』85年 コナミ MSX

コナミのボクシング

 満を持して参戦『コナミのボクシング』です。はい、やっちゃってます。ここまで見てくれば一目瞭然、セガの『チャンピオン・ボクシング』に酷似しています。ちょっとこれは擁護しがたいかな・・・ま、まあ芸術もどんな文化的作品もこんな風にいい所を取り合って新しいものが作られて、文化は発展していくので、僕は制作自体を支持しますよ!

 

 だけどこれ、わざわざコナミの』って入れなきゃわかってもらえないかもって自社サイドで腰が引き気味なのが見えちゃってるし。MSXなら大丈夫じゃね? って思ってた気もしちゃう。

 

 あえて言うなら、この85年にコナミは『イー・アル・カンフー』という後の格ゲーの発展に大きなレガシィを残しているので、そっちが忙しかったってことにしますか?ね。

 

スーパーパンチアウト‼』85年 任天堂 AC

スーパー筐体スーパーパンチアウト画面

 AC『パンチアウト‼』の続編です。任天堂のインタビュー記事によるとゲームセンターで『パンチアウト‼』のインカムがかなり良く、その人気を受けての制作だったそうです。

 

 キャラクタ以外の新要素にダッキングが加えられているのですが、このAC版のダッキングはどうだったんですかねぇ。意味あったのかしらん。

 

『ロッキー』87年4月19日 SEGA MkⅢ

ロッキーセガロッキー

 遂に来ました。87年の4月に”ロッキー”の登場です。だけど、ちょっと一回待ってください!

この作品に入る前に確認しておいた方が面白い事項があるんです。

 

 お気づきだとは思うのですが、ここまでボクシングゲームの歴史を振り返ってみると次のことがわかりましたよね。はい、そうです。

 

任天堂セガ作品が目立ってる

 

 そうなんです。自社それぞれで面白いゲームを作ることに必死なのは当たり前なので競い合っているというと少し煽りすぎかとは思いますが、歴史を見てくるとそう見えなくもないですよね。

 

 ここまでのボクシングゲーム史において・・・

 

セガはサイドビュー型

任天堂はサードパーソン視点型

 で来ていますよね。

 

 んで、任天堂アーバンチャンピオン』をボクシングではなくストリートファイトにしたことは『コナミのボクシング』の様に「任天堂のボクシング」と冠さざるを得ないようなイタイ事を避けるだけではなく、任天堂のボクシングはサードパーソン視点だよ、セガのボクシングはサイドビューだけどね、という二元的という意味での対立構造を作った。と一先ずは見ることができますよね。

 

 これが一つ目の確認事項です。で、もう一つ確認しておきたいことは超わかりやすい。なんなら現在でも一定の年齢層には通用することなのですが、

 

ロッキー”はボクシングのシンボルとして機能している

 

 ってことです。80年代はロッキーランボージャッキーチェンですからね!ってのは半分冗談ですが、87年当時日本でもロッキーは85年『ロッキー4/炎の友情』の大ヒットを受けて国民的人気者でした。役者スタローン自身も大人気で贈答用ハムのCMとかに出ていました。ハムとロッキーのイメージってなぜかすげえ合う気がするの謎。

 

 というわけで、サイドビュー型のセガボクシング、サードパーソン視点型の任天堂ボクシング、それと圧倒的なロッキーの人気、という文化的背景を確認した上で!!

 

セガのロッキー採用なわけです。

ロッキー

 

 このゲーム『チャンピオン・ボクシング』の進化系といった感じで、ビジュアルも綺麗ですし、フレーム枚数も多くてキャラがグリグリ動きます。そしてちゃっかり”ダッキング”や”大パンチ”、それにパンチを受けた時のヒットバックも入って任天堂サイドの気の利いた要素を取り込んでます。やるなセガ!!

 ロッキートレーニング

 オリジナル要素としては試合前にボタン連打連打のトレーニングがあります。とってつけたようなおまけ要素感否めませんが、以前紹介した『激闘プロレス』にしっかり受け継がれています。

激闘プロレス 

 しかし、この時代のボクシングにおける巨大な存在”ロッキー”を持ってかれた任天堂サイド。残されたカードは・・・って考えてみるとワクワクしませんか? 僕は鼻血でてます。

 

『ファミリーボクシング』87年6月19日 ナムコ FC

ファミリーボクシングファミリーボクシング画面

 出ました! 名作『ファミリーボクシング』です。もう説明不要だと思うのですが、本稿における要点だけ確認するとこの作品がファミコンで最初のボクシングゲームだぜってことです。僕も大好きでめさくさやりました。

 

 発売日は87年の6月です。『マイクタイソン・パンチアウト』が同年11月の発売なので、実はこっちが先発になるんですね。ふむふむ。

 

 この『ファミリーボクシング』はファミコン本体自体の圧倒的所有率ということを鑑みると、ここまで見てきたボクシングゲーム史において、この時点で最もプレイ人口が多かったと思われます。発売後すぐにナムコは全国大会を主催しているので、ハナから「どうせ売れるっしょ」の自信とファミコンバブルの余裕を感じますな!

 

まとめ

 というわけで、ここまで『マイクタイソン・パンチアウト』が発売される87年11月までのボクシングゲームの歴史を振り返ってみました。色々なことがわかってきましたよね。

 

 ボクシングゲームのルーツを辿るとそれはそのまま対戦格闘ゲームのルーツでもありました。鈴木裕さんのサイドビューボクシング『チャンピオンボクシング』の良いところを任天堂の『アーバンチャンピオン』が推し広げて後の2D格ゲーの誕生に多大な貢献を残したことは感慨深いものがあります。

アーバン

 もしもあそこで任天堂が『アーバンチャンピオン』を「任天堂のボクシング」として制作していたらカプコンの『ストリートファイター』は生まれなかった可能性すら感じることができました。

スト1

 そして、セガが”ロッキー”搭載して新作ボクシングゲームを発表した後、任天堂は”マイクタイソン”搭載して新作ボクシングゲームを発表する流れに至っていたこの事実です。この事実を確認していよいよ『マイクタイソン・パンチアウト!!』の中身に入っていきますよ!

 

 ところで、セガサイドのボクシングゲーム。サイドビューにこだわっていたのかなと思うじゃないですか。任天堂がサードパーソン視点ならウチはサイドビューじゃ~って意気込みかと思っていたら、87年4月に上記『ロッキー』発売後の9月・・・

 

『へビーウエイトチャンプ』87年9月 セガ AC

ヘビーウェイトチャンプAC版

 

あっさり鞍替えしてる~っ!!

ぐぴぴ~っ!!

 

 

 マイクタイソンだけじゃない! FC版『パンチアウト!!』は海外版”あしたのジョー”だ

 

 いよいよ、『マイクタイソン・パンチアウト!!』の登場です。この作品の面白さを解明するためにも、先ずはこのゲームのストーリーや舞台設定を見てみましょう。

 

 ストーリーは主人公のリトル・マックとセコンドのドック・ルイスのプロフと共に一応説明書に書いてありましたので確認してみると・・・

 

LITTLE MAC

ニューヨーク ブロンクスに住む17才の若者。ケンカ好きファイター。

 

DOC LOUIS

年令58歳。その昔、1954年にはアメリカ・ヘビー級の強豪(ハードパンチャー)だった・・・。しかし今では酒におぼれる毎日であった。

 

ある日、街で彼らは偶然に出会った。

そして、そこから全ては始まった。ドックは酒をやめる決心をし、マックのトレーナーとなり、ボクシングの全てを教え込んだ。この物語は、栄光の勝利をつかむまでの実話である。しかし、その道のりは長く、そして・・・。

 

 泥臭いですよね。たまらんほど昭和です。先ず、マックはブロンクス住みの17才ということなので、日本だとギリギリプロライセンスが取れる年令です。ケンカ好きだそうです。

 

 そしてドックは元ボクサーで今は酒におぼれていると・・・ふむふむ。

そして、二人は街で偶然に出会って、ドックは酒をやめて、ボクシングを教える・・・ふむふむなるほど・・・って、もういちいちボケるのもツッコミ入れるのも無粋なくらいですが

 

ストーリーはあしたのジョー

 

 ですね。この脚色としての”あしたのジョーあしたのジョーファンとして、もし任天堂が勘違いしてるのだとしたら、時を超えてどうしても言っておきたい! ジョーは絶対にケンカ好きではないよ。それにゲームのストーリーが実話ってのはかなり変あしたのジョーって作品が実際にあるからって意味で実話なのか? 

 

 他にも何か脚色に使われたものはないかなと思って、一応本作が出る87年11月までの主だった以下のボクシング映画も観てみました。

 

『チャンピオン』1949年

『波止場』1954年

『ロッキー』シリーズ 1976年~1985年の4作品

『チャンプ』1979年

レイジング・ブル』1980年

 

 先ずはカーク・ダグラスのモノクロボクシング映画『チャンピオン』です。なんでも『ロッキー』のシルヴェスタ・スタローンは子供の頃にこの映画を観て感動し、ボクシングを始めたらしいです八百長が物語のフックになっています。はい、パンチアウト感はないです。ですが、試合のシーンがめっさロッキーっぽくてちょっと驚きました。あの猪木の弓引きパンチのような打ち方ね! あと、息子のマイケル・ダグラスにすげー似てる!!

 カークダグラス

 

 次いではマーロン・ブランド『波止場』ですが、これはボクシング映画ではありませんね。この映画も八百長が物語のフックになっています。ギャングに利用されてた労働者階級が暴力や権力に屈せず立ち上がる! といった内容で、正直パンチアウト感ゼロです。名画とされているので未見の方は一度ご覧になって下さい。僕は一回で大丈夫です・・・。

波止場 

 

 んで、やっぱり『ロッキー』なのですが、ご存知の通り、この映画もアポロサイドが仕掛けてきたカードに咬ませ犬としてロッキーが乗っかるって話なので、八百長って言えなくもない。本当にボクシング絡みの映画には八百長がよく出てきます。

 

 『ロッキー』は名作すぎてちょっと”パンチアウト探し”しながら観るどころじゃなかったのですが、改めて観た感じですと気持ちを鼓舞させるような劇伴ランニングのシーンからの影響は間違いなく『パンチアウト!!』に出てると思います。『ロッキー2』のランニングシーンは子供がゾロゾロついてきて逆にパンチアウト感ないですけどね。

 

ゲーム史に残るこの名シーンは・・・

ランニング

 やっぱり、誰でもこのランニングのカットインを観るとロッキーがフィラデルフィア美術館の階段を駆け上って両手を上げる、あの朝のランニングを思い起こすと思うんですよね。舞台がアメリカですし。少なくとも少年時代の僕は初めてこのランニングをみたとき「あ、ロッキーだ!」と思いました。

 

やっぱりこれを彷彿とさせる

フィラデルフィア美術館

 だけど、これよく考えるとちょっと面白くて、ドックが自転車に乗ってますよね。自転車に乗ってコーチがランニングに付き合う様は”あしたのジョー”に散見されるシーンなんです。少なくともロッキーでは出てこない。『チャンプ』で息子のTJがランニングの横で自転車に乗ってるシーンが出てくるけど、あれは遊んでる感じですし。

 

ジョーによく出てくる

ジョーラン1ジョーラン2ジョーラン3

 それでも『ロッキー』を強く感じるのは、シンボリックな自由の女神が出てきてアメリカだと誰が見てもわかるってことと、山本健誌さんのあの音楽ですよ。あの音楽の避けることのできないロッキー感! 僕はランニングのカットインとあの音楽がなかったらFC版『パンチアウト!!』の評価はかなり下がると思います。

 

 え?なんで? 全然ロッキーと違う音楽じゃん!関係なくね!? と思われたかもしれませんが、そんなことないんです。何故なら上記映画作品ですと、あそこまでバンバン気持ちを高ぶらせる音楽が出てくるのは『ロッキー』シリーズだけなんです。

 

 そして忘れちゃいけない試合中の曲! この試合中の曲が、短いのにイントロもあって、メロディも印象に残るし、何度聴いてもかっこいいんですけど。 この曲、よく聴くとイントロの部分からメロディから『ロッキー3』の挿入歌『Eye of the Tiger』してます。いつも通り勝手に断言します。寄せてます。

 

 以上のことから、映画『ロッキー』の劇伴がなかったら『パンチアウト!!』のゲーム音楽もなかったと考えられます。しかし、あんなに短い曲に闘志湧き上がる虎の目をさせるなんて山本健誌さんもまたゲーム音楽史に残る偉人だ! とゲームの音楽が大好きな僕は嬉しくなりました。

 

 お次は『チャンプ』です。この映画、今回『パンチアウト!!』をやるにあたって初めて観たのですが、これちょっと、、、あのねえ・・・こんなの泣くに決まってんだろっ!!  僕にも娘がいるのですが、これ子供を授かっていなかったとしても同様に泣いてるに決まってる。なので、あなたも観たら泣くに決まってる。タイソンなんて関係ないに決まってる。

チャンプ

 

 最後にレイジング・ブルです。僕は他のスコセッシ映画のファンなのですがこの度初めて観ました。白黒映画なんですね。この映画、現在ではデニーロアプローチっていう言葉のおかげで有名な気もするんですけど、内容は人として特に魅力を感じない実在のボクサーの伝記でした。この映画の詳細な意図が知りたいNE! なんとなく『ロッキー』の髪型よりも、こっちの主人公ジェイク・ラモッタの髪型の方がリトル・マックっぽい・・・ような気はしました。

レイジングブル

 

■まとめ

 FC版『パンチアウト!!』の公式ストーリーとキャラ設定を見てみると、それは漫画『あしたのジョー』をモチーフに脚色されたものだとわかりました。ランニングのシーンでは『ロッキー』だけではなく『あしたのジョー』からの影響も確認することができ、主要なゲーム内の音楽では映画『ロッキー』シリーズの劇伴を参考に制作していると考えられます。

 

 『ロッキー』以外の映画からは特にこれといった関連性はみつからなかったことからやはりFC版『パンチアウト!!』は『ロッキー』と『あしたのジョー』をモチーフに舞台設定やゲーム内の世界は構築されたとみてほぼ間違いなさそうです。

 

 ちなみに、こういった形で『ロッキー』を持ってきた背景にはセガに『ロッキー』の権利を先取りされていた事実が奏功していると思われます。もしセガではなく任天堂が『ロッキー』の使用権をとっていて『ロッキー・パンチアウト!!』を作っていたらどうなっていたんでしょうね。そっちはそっちでむちゃくちゃ面白そう。

 

 

パンチアウト!!』の面白さはボクシングの面白さ、ボクシングの面白さは人間の本能を魅了する

 

 さぁ、いよいよ今回のメーンイベントに入りたいと思います。『マイクタイソン・パンチアウト!!』を真剣に考えようと決めたらば、やっぱりボクシング自体を掘り下げざるを得ないっしょ!! ってことで勇んで調べてみたのはいいのですが・・・

 

 えっとですね、ボクシングの歴史や成り立ちをボクシングゲームの歴史と同様に振り返っていると膨大な量になってしまいそうなんです。ただでさえ長いこの駄文なので、端的にするために例のPREP法とやらを使ってみたいと思います。もう包み隠さずにハッキリと「PREP法とは」とか検索しながらね!!

 

 それでは行きますよ! つまり、こういうことだったんです。

 

結論

 FC版『パンチアウト!!』は人間が本能的に魅了されてしまう本質を持っているから面白い

 

 ちょっと堅いですか? すいません。だけど僕にはこれ以上の要約はできそうにありません。大事なのは人間なら抗えない面白さがあるよってことなんです。大丈夫ですか?一回ミポリンを見て落ち着いてください。

 

ミポリン

はい。もうミポリン検索で、そっちへ行ってしまわれても仕方ないと覚悟はできています。

 

理由

  ”闘争”若しくは”ボクシング”には人間が本能的に魅了されてしまう本質があるから

 

 と、これが理由になります。もう少しわかりやすく付け足すと・・・

 

 そのボクシングが題材のFC版『パンチアウト!!』は安全な”ボクシング”の疑似体験が可能だから

 

 ってことになると思います。この結論と理由なんですが「魅了」という言葉の語感が人それぞれ違うと思うので悩みました。ここでは、いい意味でも悪い意味でも意識持ってかれるよね!って認識です。「魅了される」を「興味を持つ」にしてもいいかな、と思ったのですが、後者ですと行為に及ぶ前感がすんげー出ちゃうので「魅了」としました(わけのわからん言い訳してすいません)

 

 では、気を取り直しまして、なんでそんなこと言えるの? ってのを具体的に説明していきますですたい! はい!

 

 僕がそもそも『マイクタイソン・パンチアウト!!』を遊んでいて改めて感じたのは・・・もう超不謹慎ですよこれ、だからあまり言いたくないんですけど。正直に言わないと始まらないので勇気を出して言っちゃいます・・・

 

人が殴り殴られる様って面白くね?

 

 はい。サイコです。ちょっとこれは行き過ぎですか? そんなに白い目で見ないでください。ざっくざくに刺さってます。

 

 それなら、普段社会生活をしていて、

 

こいつ! ぶん殴りてえ!!

 

 って思うこと、こっちはちょいちょいありますよね。え? ないですか? まあ、ない方がいいに決まってるのでこれ以上は何も言いません。

 

 だけど、少なくとも僕の中では起きてしまっているこの事実を前提に「人が人を殴ること」について探ってみましたところ、めちゃくちゃドンピシャの参考書があったのでそれを先に紹介します。

 

 この本です。『殴り合いの文化史』2019年 樫永真佐夫著 左右社 

以下、この本からの引用を度々します。皆さんの顔から興味がすべて抜けきってカラッカラのパリッパリにならないように頑張りますので、どうぞお付き合いください。

 

 先ずこの本を開いてみると、ツカミの文章がもろにそれだったので早速引用します。

 

 拳で殴る暴力は、オランウータンやチンパンジーにも見られる攻撃行動だ。しかし人間のみが拳をシンボルとして用い、拳の文化を発展させてきた。今やボクシングをはじめとする殴り合いのゲームは、巨大な資本主義的な興行ビジネスだ。このように拳で殴る文化がある面で華々しい発展を遂げられたのは、そもそも暴力や闘争には、人を夢中にさせるものがあるからだと、私は思っている。

引用:『殴り合いの文化史』2019年 樫永真佐夫著 左右社 p16.

 

 うん。禿同。要するに、拳で殴る攻撃行動が人間社会で文化的に発展した要因には、人を夢中にさせる何かがあんじゃね? ってことなんですよね。この疑問を探りますよ。

疑問くん

 更にこんなことが書いてあります。

 

 私たちも、誰か見知らぬ者同士がいさかいや口論を始めた現場にたまたま居合わせたら、わくわくしたり、どきどきしたりするだろう。あるいは、野球観戦中に選手同士の乱闘でも始まれば、トイレに行くのも後回しにして見入ってしまうのではないだろうか。引用:『殴り合いの文化史』2019年 樫永真佐夫著 左右社 p25.

 

 僕はトイレに先に行きます。いやいや、そうじゃなくて、大事なのは、争いごとってワクワクかドキドキかは人それぞれだけど、否応なしに興味は惹かれるよねってことです。この事実です。SNSでもよくストリートの乱痴気動画がTLに流れてきて、ついつい見てしまったりしませんか? まずこの事実を確認しておいて次です。

 乱闘くん

 もう一つ確認しておきたいのは、人間って手を使う生き物だよねってことです。唐突ですが、これは大事ですよ。パンチアウト!!』は手を使うボクシングが題材のゲームですからね! はい、ということで嫌でも見ていきますよ! ところで、哲学でも人間の定義付けって難題だったりするんです。

 

「人間は考えるから人間なのだ」

「人間は笑うから人間なのだ」

「人間は遊ぶから人間なのだ」

「人間は理性があるから人間なのだ」

「人間は道具を使うから人間なのだ」

 

 こんな感じで色々あります。どれも間違いではないんだろうけど、これ!!ってのが中々見つからないんだと思います。一つとは言えないけど、一つでも欠けると人間としてどうなの?って特徴です。

 

 なぜって、全部人間の本質だからですよね。当たり前です。が、当たり前のことを真剣に考え直してみるのも哲学なので無粋なツッコミはやめておきましょう。で、そんな人間の定義付けの中で「人間は手を使うから人間なのだ」ってのもあるんです。あるんですっていうか、自分で考えてみてもそうですよね。

 

 確かにオランウータンやチンパンジーも手を使うけど、人間のそれはもっと繊細で器用そうです。五本指がうねうね動いてそれはもう色んなことができますよね。この指の長さと幼児の言語発達が関連している、なんて記事を以前見た記憶もあります。

手

 その指を握ると”拳”になるのですが、この拳。イライラ頭にくることがあったり、ハラハラ緊張したときとか、ブリブリ気張ったときとか(本当すいません)衝動的に強く握ったりしますよね? 「手に汗握る」とも言いますし、シンガーソングライターの中島みゆきさんも名曲『ファイト!』の中で”悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる”と書かれています。

 拳

 衝動的と本能的はほぼ同義なので、どうやら人間は本能的に拳を握る生き物だってことが言えそうです。意識せずに拳を握ることは誰にでも経験あると思います。更に言うとイライラがマックスに達したときに衝動的に拳で何がしかに攻撃することってあるよねってことなんです。

 

 机、黒板、デスク、ホワイトボード、窓ガラス、高架橋の下のコンクリの柱、昨日まで友達だと思っていたアイツ・・・などなど、人が衝動的に拳で殴っているモノのイメージ。青春の匂いがぷんぷんしますが、このことは半分冗談で半分本当です。

 

 なぜならば、青春時代は本能的に何がしかをぶん殴って傷つけても成人ほど社会的制裁を受けない、と思われるからです。かなり微妙なこと言ってますけど、今はズンズン行きます。

パンチくん

 普通に生活している成人であれば社会にもまれて理性も知性も身に付くので、本能のまま衝動に駆られて何がしかを殴ることは無くなっていくのが通常です。時々そうじゃない人もいらっしゃいますが、僕は関わりたくないなって思います。

 

 ですが、どうやら人間は本能的に拳を握って、その拳を感情のままに何かを傷つける行動に使うことがある生き物だねってことは無理なく言う事ができそうです(なんてまわりくどいんだ!)。

 

 それでですね。このことを少し言い換えて・・・

 

本能にある攻撃的な性質を社会的な知性と理性で抑えて生活している

 

 と言ってみたらどうですか? なんとなく乱痴気騒ぎや年末の格闘技番組、ボクシングを始めとする勝ち負けのあるスポーツに人間が熱狂する理由がうっすら見えてきた様な気がしませんか? 僕はキテマス。キテマス。きまくりやがってます。

 

 ここでさっきの本に目を戻しますと、こんなことが書いてありました。

 

 では、闘争を見る者は、そこに何を期待して喜ぶのだろうか。その答えは、ニセモノとして演じられる闘争のなかに、むしろ明瞭に見てとれる。ニセモノであるがゆえに、できるだけ観客の期待を満たすように演じられるし、観客の側も自分が巻き込まれる恐怖や、いけないものを見ているという後ろめたさがなく、安心して自らの欲望と期待を開陳できるからだ。引用:『殴り合いの文化史』2019年 樫永真佐夫著 左右社 p25.

 

 ニセモノとして演じられる闘争ってのは、ルールの下に行われるスポーツによる闘争とか、ゲームによる闘争とかの、要するに野放しに身体を傷付け合うことじゃないっていう意味でのニセモノですよ。

プロレス

 ここで注目したいのは後段の方なんですけど、ニセモノだから巻き込まれる心配もなく、道徳的な背徳感もなく、安心して欲望と期待を解放して争いを楽しめる

ってことですが、もうクドイのでわかりやすくハッキリ言い換えますけど・・・

 

スポーツやゲームによる争いは普段抑圧している攻撃的な本質やゲスい欲望も願望もあけすけにさらけ出してヒャッハーできる

 

ってことですよ。これ、観戦してる側はもちろん、ルールの下であればプレイヤーも一応同じです。

 

 もうここまで来れば、なぜ人がスポーツや格闘技に熱狂するのか、なぜバトル漫画にヒット作が多いのか、なぜジャッキー映画は最高なのか、なんてことの深い所に何があるのか見えてきますよね。

 

 プロレスや総合格闘技などの興行はもちろん、映画やゲームに暴力というか、闘争や乱痴気は欠かせない要素の一つです。争いごとは完全に文化的なエンターテイメントとして利用されています。

 

 これ以上は長くなるので割愛しますが、ボクシングの歴史や闘争の歴史を辿ると、生殖行動や食料及び異性の奪い合いなど、元来生き物としての人間に備わっている本能的な行動と闘争が深く結びついていることが見えてくるので、なぜ人々が小さく言えば”殴り合い”大きく言えば”争いごと”に熱くなるのか、より鮮明になります。ご興味のある方は上記の本や巻末の参考文献を追っかけてみてください。

 

 さてさて、これで最初の疑問が解けたので、もう一度振り返ってみます。

 

Q:拳で殴る攻撃行動が人間社会で文化的に発展した要因には、人を夢中にさせる何かがそこにあんじゃね?

 

 これに一言で答えるならば・・・

 

A:人間の抑圧した本質的な攻撃衝動や欲望の解放がそこにある

 

 というわけだったんですね。これは確かに夢中になるわけだわ・・・

 

 『天空の城ラピュタでもケンカを見てる観客がたまらず参戦するってシーンがありますよね。あれだって、相手が海賊だから町を守ろうと参戦してるわけじゃなく、乱痴気そのものを楽しみたくて、自分の腕っぷしを試したくて参戦してるわけです。実に衝動的な行動で野蛮ですよね。

 

 アンパンマンが大好きな二歳半の僕の子供も「アンパチっ!」とか言いながらしっかり拳を握って妻の尻をなでる僕を殴ってきます。マジです。二歳半の幼児ですら、鉄拳制裁アンパンチにどこかしらカタルシスを感じているように見えます。

 

 と、こんな風に例をあげてもいよいよキリがないので締めます。ここで辿り着いた結論をもう一度確認すると・・・

 

 安全な”ボクシング”の疑似体験が可能なFC版『パンチアウト!!』は、人間の抑圧した本質的な攻撃衝動や欲望の解放ができるから面白い

 

となりました。う~む。堅い、堅すぎるぜ・・・

 

 

シンプルイズベスト! 自キャラが動かせないことが『パンチアウト!!』の肝だった

 というわけで『マイクタイソン・パンチアウト!!』に戻ります。ここまでで、一先ずFC版『パンチアウト!!』の面白さの本質はわかったので、他の特徴は何かないかと考えてみます。これね。やっぱり他のボクシングゲームと決定的に違うのは・・・

 

 相手の動きに対応する(だけでいい)ってことだと僕はズバッと判断します。

 

 いまさら何を言ってるんじゃ! って思われるかもしれないのですが、ここまででわかった面白さの本質。これって正直な話、どんなゲームにも当てはまる定義なんですよね。え? 気づいていましたか? すいません。

 

 抑圧した攻撃性や欲望の解放って、ほとんどのボクシングゲームひいては対戦型ゲームに当てはまる本質なので、ゲームの面白さの本質でもあるんです。正直に言って僕自身『パンチアウト!!』を掘り下げることで、こんなに大事なことがわかってしまう所までいくとは思っていませんでした。まじかよタイソン! 

 

 実はこのゲームの本質について、最初の方でリンクを貼った任天堂の公式サイトの中でもかなり近しいことが議論されています。ていうか、僕のややこしく長い文章を読んでくださって、尚且つなんとなくでも頷いてくださったあなたなら、「なんだ。こっちの方が一言で超わかりやすく話してるやんけ」って、僕にイラつくと思うので是非読んでみてください。そして許してください。

社長が訊く『PUNCH-OUT!!』 (nintendo.co.jp)

 

 だけど本質はあくまでも本質なので他のゲームと比べた時の『マイクタイソン・パンチアウト』の面白さの特徴って何よってことを確認しないとモヤモヤしまくりです。大丈夫です。ここは超シンプルです。正にシンプルイズベスト。

 

リトル・マック

 手前味噌ですが、本記事の冒頭で書いた「かわして打つべし、よけて打つべし、決めろカウンター、唸れ必殺アッパーカット!」 に集約出来ていると思います。

 

 要するにやることが単純なんですよね。敵キャラの動きに合わせてよけたりかわしたりしてパンチを打ち込んでいくだけですから。んで、これが何故だか超楽しいってわけです。この何故の理由の本質は先ほど見た通りでした。

 

 ここで考えたいのは他のゲームとの違いなんですけど、仮にさっきわかった面白さの本質を最近の格ゲーストリートファイターⅤ』とかに照らしてみるとわかりやすいんです。

 

 安全な”格闘”の疑似体験が可能なストリートファイターⅤ』は、人間の抑圧した本質的な攻撃衝動や欲望の解放ができるから面白い

 

 いかがですか? モヤっとしますよね。そうなんです。このモヤモヤの正体をちゃんと見ておかないと、ここまでが机上の空論になっちゃいます。

 

 この上記命題っていうか、辿り着いた一つの答えを実践的に考えると、抑圧した本質的な攻撃衝動や欲望の解放が出来るほど上手くなるまで、どんだけ時間がかかると思ってんだよ!!って話ですよね。これがモヤモヤの正体です。

 

 要するにゲームの面白さの本質を享受するには、根本的にそのゲームを楽しめるレベルまで操作できないと話にならないんです。これは重大な事実だ! ガーン!!

 

 逆説的にこのことから最近の格ゲー不人気や上達する前に「こんなのつまんねっ」て投げ出す人が少なからずいるのも理解できますよね。かくいう僕自身、こんな風に投げ出したゲームは数知れずあります。

 

 ここで『パンチアウト!!』に戻ります。どうでしょう? さっきより解像度があがりましたよね。もう一度言います。

 

「かわして打つべし、よけて打つべし、決めろカウンター、唸れ必殺アッパーカット!」

 

 そうなんです。『パンチアウト!!』はやることが単純化されたボクシングゲームなんです。他のボクシングゲームや格ゲーは自キャラを動かす必要があるのに対して、『パンチアウト!!』はキャラが固定されいて動けない。っていうか動かす必要がないですよね。これが大事。これで何が起こるかって言うと・・・

 

余計なことを考える必要がない

 

 これです。このことでシンプルに相手のパンチをかわすことや相手の挙動を捉えることに集中することが可能になっているんですね。あーすごい! これはすごい。

 

 確かにストリートファイターⅤ』を始めとする他の対戦ゲームでも、相手の動きを捉えて捌く行動をとることは大切ですし、基本的な戦略ですが他にも気を配っておかなければいけない部分が視覚的にも心理的にもありすぎて、煩雑なんです。

 

 もちろん、この煩雑さが格ゲーをより奥深いものにして、eスポーツという「競技」として認められるまでにたらしめたことは言うまでもないことですが、言っちゃいました。

 

 その煩雑さを敢えて引くことによってただ愚直なまでに面白さに特化したボクシングゲームが『パンチアウト!!』なのだと、もう大きな声で言っちゃいます。

 

煩雑さを敢えて引くことによってただ愚直なまでに面白さに特化したボクシングゲームが『パンチアウト!!』なのだ

 

 はい、二回言いました。ありがとうございました。

 

 

マイク・タイソン任天堂! 隠された”真相”は大人の理由だった

 

 『パンチアウト!!』の面白さについては概ね謎が解けたのでマイク・タイソンについて少し触れてみたいと思います。

 

 そもそもマイク・タイソン任天堂のような善きイメージの会社がゲームに採用するってインパクト強いと思いませんか? だってタイソンですよ。僕はいまだにおっかねえイメージが強いんですけど、みなさんはどうでしょう。

タインソ

 タイソンのイメージって、1987年当時もあまり良いイメージで受け入れられている存在ではなかったと思うんですよね。だからこそ『マイクタイソン・パンチアウト!!』って名前を冠しているのにラスボス扱いにしたんだと思われます。めちゃくちゃ強い人らしいっていう認識は当時小学生の僕にもありました。

 

 冒頭にも触れた話題なのですが、FC版『パンチアウト!!』には景品版と一般販売版の二つがありました。ちょっともう一度これを確認してください。

 

 景品版:タイソン出ない方

1987年6月14日発売のマリオの『ゴルフUSコース』の同年8月31日まで行われたプレイヤー参加型イベントの景品として発送された。

 

一般販売版:タイソン出る方

1987年11月21日発売

 

 8月31日に応募を締め切ったイベントで景品をプレゼントされた人たちがFC版パンチアウト!!』を実際にプレイしたのって確実に9月に入ってからですよね。そこから三ヵ月も経たない内に『マイクタイソン・パンチアウト!!』は一般販売されています。

 

 これを見れば最初からタイソン出る方の一般販売は決まっていて、既に制作されていたと普通に推測しますよね。そりゃあ三ヵ月もないわけですから、スタートからタイソンとライセンス契約して、ゲーム用にキャラクターを造形して、広告考えて、CM撮って(しかも本人出演)って三ヵ月じゃあもうドタバタ。不可能だと思います。

 

 それなのに任天堂の公式サイトでは景品版をいざ配ったらば”欲しいという声が沢山寄せられたから一年を待たずして販売することになった”とされています。

  

 んなわきゃない!

 

 と天下の任天堂にツッコミを入れておいてですね・・・

 

 こちらをご覧ください。

 

 なんとタイソンの自伝です。今回『マイクタイソン・パンチアウト!!』をやると決めていたので、あのタイソンが文章を書くのか! という驚きと共に、読まさせて頂くしかないかと・・・ブツブツ言いながらAmazonでスワイプ買いしましたところ・・・

 

タイソンの本

 めちゃくちゃ分厚い・・・

 

 

 

 

いや、辞書かよっ!!

 

 

 

  叫びましたよね。Amazonの包装をバリっと開けて、取り出して、中見た瞬間に、ハッキリと。んで中をおそるおそる開くとですね、冒頭にグラビアが数ページ載っているので、パラっとめくってちらっと見たら・・・

 

恐すぎる

 

 

ひええええええ・・・・・

 

 

 

いや、こわいこわいこわいこわい!!

 

 

 しかもさ『13歳の俺』ってのもどうなの? これ訳し方に問題ない? 面白いけど。こんな13歳がこの世にいたんですか・・・ マジで普通に怖い。

 

 気になる中身の方なのですが、幼少期から現在までのエピソードを詳細に語っていく一人称『俺』スタイルの大長編です。邪推ですが、文章の雰囲気からして、タイソン自身が語る俺様エピソードを口述筆記して、時系列で並べたんじゃないかと思われます。確信に近いです。

 

 他人に語るように紡がれているせいか自慢話っぽい雰囲気が多分に漂っていますが、タイソンってこんなに饒舌な人なのか、と人柄が垣間見えて面白いです。試合に負けて泣いたり、大事にしていた鳩を殺されてブチ切れたりと意外なエピソードも出てきて、自伝ならではの読み応えはあります。

 

 表面的に読むと暴力や性的な話ばかりでウンザリするのですが、全体に漂う哀愁があるのも事実で、タイソン自身が「俺は他の奴とは違うんだ」と感じて生きていることも読み取れました。親の愛に欠けて育ったことから、タイソンはどうしても寂しいのだろうさ。タイソン、おめえってやつあ・・・

 

 でね。見つけました! この本の中にパンチアウト!!』に関するタイソンの言及を発見したので以下に引用します。

 

 試合後、任天堂から、『マイクタイソン・パンチアウト!!』というファミリーコンピュータのボクシング・ゲームの肖像権料として七十五万ドルの前金を受け取った。ゲーム小僧じゃなかったから、そんなに興奮はしなかった。リングで戦えればそれでよかった。ボクシング以外は門外漢だ。

引用:『真相 マイク・タイソン自伝』2014年 マイク・タイソンダイヤモンド社 p172.

 

 金どっさりもらっておいて門外漢はないでしょっ! とだけツッコんでおいて、ここで注目したいのは『試合後』ってところです。この試合はいつなのかと言うと1987年の3月7日、ジェイムズ・スミス戦だと本の中で語られています。この事実です。

 

 1987年3月7日の試合後にタイソンが肖像権料を受け取ったということは、その試合以前にライセンス契約をしていたってことなので、1987年6月14日発売のマリオの『ゴルフUSコース』より3か月以上も前に任天堂はタイソンと契約していたことがわかります。

 

 キタコレ!!

 

 この事実から、景品版のタイソン出ない方を発送する以前から、とっくに任天堂はタイソンと契約していて、タイソン出る方も作っていたってことが判明しました。そりゃあそうですよね。「欲しいという声がたくさん寄せられたから」って、三ヵ月で慌ててタイソンくっつけてなんて、無理ですもんね。

 

 セガの『ロッキー』の発売日は1987年の4月ですから、その制作期間を鑑みても任天堂がタイソンと契約する以前にセガは『ロッキー』の使用権を得ていたはずです。

 

 このことから、任天堂がFC版『パンチアウト!!』を制作するにあたって『あしたのジョー』や『ロッキー』をあくまでも脚色に利用して、実在のチャンピオンで知名度ロッキー・バルボアに劣らず高かったマイク・タイソンを『パンチアウト!!』に迎え入れたのは必然だったんじゃないか? と下世話な僕は思ったわけです。みなさんはどう思われますか? 

 

 しかし、なにゆえに現在の任天堂はそんなマイク・タイソンをなかったことにするのでしょうか・・・

 

 ってまあ、その辺は現在のタイソンを見てればわかりきったことなので、これ以上はやめておきます。任天堂の関係者の皆様すいません。僕はビビってます。

 

 だけど、任天堂は当時からタイソンの素行を慮ってハナからゲームキャラにしたタイソンを取ったり外したり出来るようにバージョン違いのものを二つ作っておいたんじゃないかしら・・・。しつこいですね。もうやめておきます!

 

 いやしかし、タイソンの自伝にもう一回話を戻しますけど、この本に出てくるのは、

 

 犯罪・暴力・女・セックス・ドラッグ!

 

 もうクドイってくらいこれらが交互に出てくる出てくる、出てきまくる。もう笑えないくらいに。正に人間の抑圧した本質的な攻撃衝動や欲望の解放をしてるのがタイソンの人生なんです。タイソンはボクシングのイデアです。闘争の化身が服着て歩いてるんだとわかりました。おまわりさん、この人です。

 

 つまりこういうことだったのだ・・・

 

人間の持つ攻撃的な本質やゲスい欲望も願望もあけすけにさらけ出してヒャッハーしてたのはマイク・タイソン

 

 そりゃあ任天堂も手を引くわけだよ・・・

 

 

Wii版の『パンチアウト!!』も傑作です! 未プレイの方は是非!!

 

 最後にWii版について感じたことをしたためて終わりにしたいと思います。

wiiパンチアウト

 一言で言うとおススメです。僕は断然支持します。この作品、本当にFC版『パンチアウト!!』のブラッシュアップに成功してると思います。ボクシングゲームの面白さは本稿で語りつくしたので、既に保証されています。心配しないでください。

 

 こういったリメイクものって、古参のファンがプレイしたときの思い出補正に耐えられるかどうかで一般の評価が分かれますが、あまりそっちに目配せしすぎてもただのファンゲームになっちゃう。だもんで何か新しい要素を! ってなるんだと思いますが、その新しい要素も〇!

wiiパンチアウト画面

 対戦が可能になったマルチプレイの部分を任天堂田邊賢輔さんは推していらっしゃいますが、社長が訊く『PUNCH-OUT!!』 (nintendo.co.jp) 僕がみなさんに伝えておきたいのはそこじゃない。

 

 このWii版、とっても素晴らしい点はもうこれ! 間違いなく! 

 

ヌンチャクコントローラー!!

 

 これです。どういうことかと言いますと、ヌンチャクコントローラーは右手と左手別々にコントローラーを握って、シャドーボクシングの様にプレイするんです。

 

 右手を振れば、リトル・マックが右パンチを繰り出す。

 左手を振れば、リトル・マックが左パンチを繰り出す。

 

このことで、ボクシングの疑似体験が一層リアルに近づいています。

 

 そもそもパンチアウト!!』の面白さがボクシングの疑似体験にあることは本稿で皆さんと確認した通りなのですが、もうね、この点が見事にスムースに体感できるようになっています。これだけでも体験して欲しい! マジで楽しいから!!

 

 テレビの前に立って、両手にコントローラーを握って、Tシャツ姿で闘ってください。パンチをかわしたとき、パンチを連打してるとき、ダウンを奪ったとき、KO勝ちしたとき、身体の内側から得も言われぬ快感が立ち上がってきます。これは抵抗不能

 

 『パンチアウト!!』の魅力の一つ、個性的な各敵キャラの設定も新たな肉付けが施されていてこれも面白い! 古参ファンは”こいつはこういうやつだったのか”って感心できたり、笑えたりと見ていて飽きません。やっぱり任天堂はすげーやって感服せざるを得ない。

 

 サーキットもマイナーからメジャーへと上がっていくに連れて、ちゃんと会場が変わっていくのも旧作にはなかった点。雰囲気が出ていてナイスです!

 

 一応ダメだったところも言っておくと、あのランニングの名シーンが短い。一瞬で終わっちゃうんです。これは残念。ゲームのテンポを重視したんだと思うのですが、僕はもうちょっと見たかったかな・・・

 

 それと、みなさんは気にならないかもしれないのですが、個人的にはゲーム音楽のボリュームが効果音の対比で小さい気がしました。 せっかくアレンジされたかっこいい音楽なのによく聞こえないから、試合中はあまりプレイのテンションに貢献できてないよ。最近のストリートファイターシリーズくらい音がドーンと来る方が僕は好き!

 

 最後にもう一つ、これはシリーズ全体を通してのことなのですが、これを一言つっついておきまして今回は終わりにしたいと思います。

 

 えっと・・・

 

リトル・マックってキャラが定まってないですね

 

ずーーーっとブレブレな気がします。

 

 元々、個性なんて必要のないキャラだったのに、ケンカ好きの17才なんて文字通りパンチのある設定をぶち込んだから扱いづらくなったんでしょうか。

 

 現在のリトル・マックフレッシュな好青年って感じでケンカ好きには見えない。ギガマックなんてブランカかハリマオって感じ。『スーパーパンチアウト!!』の金髪に至っては別人ですか、そうですか・・・

 

初期からケンカ好きには見えないよね

マックとルイス

ていうかこの二人・・・

 

 

 

タンゲと青山

この二人に見えてきた・・・

 

 

 

 

 

結論

リトル・マックは青山くん

 

 

  しかしながら、アレンジされたマイナーサーキットのBGMサウンドテストで聴いたときは涙が込み上げました。リトル・マックは引退しちゃったけど、またいつか新作を頼むよ任天堂!! 未プレイの方はFC版と合わせてこちらも是非プレイしてくださいね!

 

 はい、というわけで今回も長くなりましたが・・・

 

『マイクタイソン・パンチアウト!!』はボクシングゲームの礎を築いた大傑作だと思います。まごうことなき再神作です!

 是非もう一度プレイしてください!!

 

 

 ちなみにですが、『パンチアウト!!』と合わせて映画『ロッキー』シリーズと『クリード』も合わせて観ると更に盛り上がるのでおススメですよ! 

 

 

 

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

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次回は「投資をする前の心構え」です。

お楽しみに!!

 

 

 

 

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そして朝になると全部忘れて無限リピートするよね・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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